穂積名堂 Web Novel

直観

2012/02/29 00:50:17
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直観

Hodumi
 さて、何もかもが始まった。
 それは私にとっては必然だったのだけれど、他の全ての者にとっては偶然だったのでしょう。

「……紫様?」

 物事は所詮簡潔に出来ている。
 つまり、始まったら終わらなければならないという事。

「あの?」

 とはいえ、今はまだ始まったばかりであって、さて、終わりは何時頃やって来るのかしら?
 誰が、何が運んで来るのかしら?
 それがもう楽しみ楽しみで……

「紫様ー?ご飯出来ましたよー?」

 尤も、始まりを予期できた者が私だけである以上は、私以外それを知覚している者は私しか居ないという訳で。
 であるなら、始まっていないとも言えるわね。
 とすると私が今知覚したこの始まりは、果たして始まりと言えるのかしら?

「藍様、ご飯よそっておきますね?」
「あ、頼む。橙」

 この場合、物事はやはり簡潔。
 私がそうだと思えばそうなのだし、そうでないと思えばそうではない。
 だから簡潔。故に、退屈。
 では私はどう思うべきなのかしら?

「ゆーかーりーさーまー?」

 これも簡潔。
 思いたいように思えば良い。
 だから私は、そうだと思う。
 故に始まっているのよ。
 嗚呼全く、退屈だ事。

「ご飯よそい終わりましたー」
「あー、そうか。……どうしようかな~、紫様ー?」

 それにしてもこの始まりは、何故私以外の誰にとっても偶然なのだろうか。
 必然として知覚している私からしたら、分かり易い事この上ないというのに。
 恐らく、他の皆は物事を理詰めで考えようとする悪い癖があるからいけないのかしらね。
 世の中はとても単純に出来ていて、どうしようも無い程簡略化出来て、呆れる程簡潔なのに。
 あ、ひょっとしたら……それを認めたくないのかしら。
 そうね、難しく理由や理屈を付けた理論はとても有り難く見えてしまうもの。

「どうしましょう?」
「……今暫く、おあずけかな」

 けれど難しい事を有り難がるのは、自らの知性に自信がない証拠とも言えるわね。
 もしくは、それで良いと完全完璧頭の天辺から足の爪先まで信じきっている場合かしら。
 何にせよ知性に自身があるなら、行動と共に示す事で簡潔に物事を伝える事が出来る。
 それが出来ないから、あれやこれやと御託を並べて納得させようとするのかしら。
 でもそれって謂わば騙しよね。詐欺とかそういうズルい系統の臭いがとってもするもの。
 そうでもしなければ他者を納得させられない時点で、やっぱりお粗末な知性である証明みたいなものだし。
 うん、だから私はここで手本を示そうかしらね。

「紫様ー?」
「あら藍、どうしたのご飯の準備なんかして」
「正午はお昼ご飯の時間と相場が決まっていたと思いましたが」
「ダァメよ?そんな固定された概念に囚われていちゃぁ」
「はぁ」
「だからね藍」
「はい?」
「お・や・す・み♪」
「はぁ!?」
「紫様ー!?」
 読了ありがとう御座います。ある時期が近づくと瞬く間にアレなHodumiです。
 アレは言うなれば登校拒否にも似ていますがまぁそんな事はどうだって良いのですし聞きたくもありませんよね。
 ともあれ、八雲さん家です。解説するのもアホ臭いので各々でご解釈下さいまし。

 引き篭もってる間に9,000超えてるとか何の冗談かと思いましたが。
 ともあれ不良債権をちょっとずつでも解消していきたいと思います。
 ほら、例えば長らくお待たせさせてしまっているリクの消化とかそういう。

 そんな訳で、今回はこの辺りで。
 願わくば、またいずれ近い内に、此処で。
Hodumi
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