穂積名堂 Web Novel

彼女と少女の経緯

2012/02/29 01:02:07
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彼女と少女の経緯

Hodumi
 風見 幽香は現在機嫌が悪い。
 勿論それがいつもの事である等という事くらい、夢幻館の警護二人はよく知っている。それでもたまに機嫌が良い時もあるので、万年生理不順なのだろうかとかいや要するに嗜虐心が満足いっただけだよとか色々激論が交わされたりもした。
 その後うるさいという理由の下、二人とも酷い目に遭ったが。
 それはさておき。
 彼女は今不機嫌である。それも、とても。
 そんな時、館の警護役の二人に出来る事といえば、まぁ人身御供くらいである。ただし二人ともご遠慮願いたいので、手遅れ寸前まで気付かない振りが基本だ。
 その後気が効かないという理由の下、二人とも酷い目に遭わされたが。
 まぁそれは置いておいて。
 要するに彼女はご機嫌斜めだった。凄く。
 そしていつも通りそんな彼女の周りには、怒りの理由を推し量れない二人が居て、例によって二人とも御供は御免被りたくて。
 このままでは任を押し付け合う内にいつも通りの結果を招きかねない。
 発生する水面下での睨み合い、些細な貸し借りによる駆け引き。ただしこれらはあくまで秘密裏に行わねばならない。何が彼女の逆鱗に触れるか全く分からないのだから。
 ……だが今回は二人にとって幸運であった。
「ちょっと出かけて来るわね」
 幽香が動いたのである。
 彼女は白い日傘をポンと差し、チェックのスカートを翻し、夢幻館を後にしたのだ。
 二人は暫くきょとんとして、それから―――

「行ってらっしゃいませーっ!」

 慌てて主人を見送った。
 多分、見送りのタイミングが遅いという理由によって後でイジメられるんだろう。それはそれは手酷くて、マンネリとかいう言葉からとても遠いバリエーションで以って。
 実にいつもの事だ。

・         ・         ・         ・         ・         ・

 燦々と注ぐ陽光を日傘に浴びて、薄い日陰に包まれながら幽香は歩いていた。
 草原の草をわざわざ踏み締め踏み締め踏み折り踏み折りしながら向かう先は、川である。

 ぶづぶぢゅぐしゃり

 とはいえ綺麗な水のある所ならどこでも良いのだが。
 だから湖でも良いし池でも良いのである。池なら夢幻館の結界を果たしている池もあるが、そこの水の透明度たるや凄まじい。結界だから大丈夫と洗脳レベルで言い包め、要するにイジメの一環で吸血鬼に番をさせるのに相応しい美しさだ。

 ぐぢぐぢぶつん

 さりとて、厳密にはどこでも良い訳では当然無かった。
 どこでも良いのならそもそもこうして川を目指す理由が無い。
 狭い狭いとはいえ幻想郷は広いのである。幽香の足が目指す所にある川で無ければ、成る程駄目なのだ。かといって飛んでいけばあっという間だったりして、これだから幻想郷は広いが狭いのである。閉所恐怖症なら気が狂いかねないだろう。ちょうどあの警備役の門番みたいに。

 ぎしっぎゅっずしゃり

 さて、踏み締め踏み締め踏み折り踏み折りする内に、すっかり幽香は草の青臭さで鼻腔が一杯になっていた。
 正直、花の妖怪といえどもあまり良い気分のする香りではない。というか花の妖怪であるからには、この青臭さはつまり生々しい血肉の香り。
 彼女の眉間に縦皺がぴしりと寄る。
 要するにグロいのだ。花の妖怪にとっての草の青臭さというのは。
 本来なら自分のせいでグロい香りに包まれているのだから、言葉を変えれば自ら望んでそうした筈なのである。常識というか、一般的理性及び思考形態でいけばそうなる。間違ってはいない。
 だというのに。
 肩に乗る日傘をちょいと上へ向けた彼女は、ふわりと宙へ身を躍らせる。その際の手指の動きから地を蹴った足の動き、果ては靡くスカートのふわふわ感の全てに至って優雅であったが、しかめっ面が全てを台無しにしていた。
 そして行儀悪く靴同士を擦り合わせ、底や縁に付いていた草片―――言葉を変えれば肉片をこそぎ落とす。
 つまり、自分が望んで野の草を虐殺していたというのに、その結果である青生臭ささに腹が立ったのだろう。傍から見れば何をやっているんだと首を捻ったり不可思議に思ったりもする所だし、行為による結果が見えていないだけだと蔑みたくなっても不思議じゃない。
 どっちにせよそれらを表に出した時点でイジメられるが。幅広い凄いバリエーションで。
 飛行に伴う大気の流れが、瞬く間にグロい青臭さを押し流し吹き飛ばしていく。
 途端に、幽香は華のような笑顔を見せた。
 簡単な事である。

 すっとしたんだろう。色々と。

・         ・         ・         ・         ・         ・

 粛々と水が流れていく。川幅の割に、長閑な程流れは穏やかだ。
 顔を左に上流を臨めば大水に圧倒されるような気分になるし、顔を右に下流を臨めば流水に引っ張られるような気分になる。
 さて、それじゃあ足元を見てみようか。
 リグル・ナイトバグは川縁にしゃがんで、流れる川を覗き込む。
 別に水面に映る自分の顔に見惚れるとかいう訳でもなければ、流れに逆らって泳ぐ魚を見て「ああ、魚ってのは根っからのはねっ返りなんだなぁ」とか思う訳でも無い。
 さて、暫しの間。
 不意に、だが少なからぬ確信の表情を以って、彼女の右手がそっと持ち上がる。
 その手が持つ銀のコップが陽光を浴びて煌く。
 そしてその手が澱み無く振り下ろされて、しゃぽんと川面へ吸い込まれた。
 軽く飛沫が跳ねて、自然の冷たさが手を包む。
 間を置かず、水面から手が引き出された。
 銀のコップはなみなみと満たされており、底から水の滴るそれを見て彼女は満足げに笑う。
 顔に引き寄せたコップを一旦止め、揺らめくコップの水面をしげしげと眺める。
 それは川のように流れたりせず、停滞した穏やかな面を彼女に見せていた。
 勿論、微動する水面を見て常に一定の形を見せず、またあらゆる形になる水に対し万物流転の様を見出している訳でも無いし、水面に映るコップの底から、水による光の屈折を計算している訳でも無い。
 ともかく、ようやく。
 揺らめく水面に尊崇の念すら感じさせる厳粛な面持ちで、彼女はコップに口をつけた。
 嚥下する。
 喉を鳴らすような勢いは無く、けれど確実に、コップは傾げられていく。
 やがて、実に呆気なくコップの水は枯れ果てていた。余さず彼女が飲み干したのだ。
 口からコップを離し、晴れやかですらある表情で一息つく。
 コップ一杯の水に対し相応の満足を得たのだろう。蛍にとって所詮は飢えを満たすというだけに過ぎないが、やはり活力引いては命の源である水を飲むという事は、生きているという実感と共に安らぎを与えてくれる。
「…………」
 が、瞬間後リグルの表情は奈落の底くらいまで暗く沈みこんだ。
 そもそも水を飲むという行為一つに一々ああも儀式めいた飲み方はしないし、たかが水の一杯如きでわざわざ感動したりはしない。普段ならさくっと掬ってさくっと飲んで、それでぷはーっと口元拭って終わりである。
 ならば何故、という所だが、答えは簡潔だ。
 これが最期の水になるかも知れないからである。
 そして何故最期になるかもかといえば、やはり答えは簡潔だ。
 畏怖嫌厭の塊がこちらに近づいているからである。それも死の危険が重大に伴うタイプの。更に最悪な事に自分目掛けて。
 勿論取り越し苦労であるかもしれないし、通過するだけなのかもしれない。
 だけど悪い予感とは的中するものだ。何せこういう場合の妖怪の直感は良く当たる。それにリグルはただでさえ元々がそう強い立場では無かっただけに、その辺りは重大に受け止める必要があった。
 自分が(ほぼ)死ぬ(であろう)以上、普段は一緒に遊んだりまとわり付かせたりしている有象無象の蟲達は全て退避させてある。寂しいが、妖怪の我儘であの子等を道連れにするのも気が引けた。
 故にリグル・ナイトバグは現在独りであり、周りには誰も居ない。普段は気ままにさざめく鳥獣の類もすっかり息を潜めている。
 静謐で静寂で静穏で、普段なら些細な自分の呼吸ですら耳に付く。
 川縁に腰を下ろしたまま、リグルは逃げたいという本能に自分が標的なら逃げても無駄だと真っ向から抗って、嵐の前の静けさに胸の鼓動を大きくする。
 いやに耳障りな自分の呼気、吸気に、鼓動を抑える為に胸に当てた手が服を握る僅かな音。
 確実に近づいてくる気配に怯えを隠そうと歯を噛み締め、その音を耳の奥に感じながらリグルは待つ。立ち上がり、しかしその場から一歩も動かないのは、蟲の妖怪としての矜持か、それとも動けないからか。
 開かれた両目が見つめる先、不意に、上の方の視界で何かが揺れた。
 思わずそこへと視線を向けるが、空には誰も居ない。
 気のせいかと視線を戻したら―――

 すぐそこに、彼女は居た。

 いつの間にか現れた彼女を認識したと同時に、リグルの全身に風が吹き付ける。思わず嫌な汗を浮かべるが、その直後に違和感に気付き、間を置かず違和感の正体に気付き、愕然とした。
 まず、風など吹いていないのだ。現に草木は揺れず、服もマントも髪の毛も靡いていない。
 次に実感としてこうして吹きつけているものとは、リグルが感じる彼女からの威圧感なのである。
 圧倒的で覆されざる根本的な力の差、故だろう。
 白の日傘を手に、チェックのスカートを揺らし彼女が一歩を踏むだけで、リグルは竦み上がった。
「―――あなた、蟲を操る程度の能力を持っているわね?」
 名乗る事もなければ挨拶も無い、いきなりの確認。 
 リグルはその事に疑問も覚えずに応えようと口を開くも、喉がからからでとても声が出せた状態ではなく、でも咳払いをする等の間も惜しい為口をすぐに閉じて頷いた。
「そう」
 すると、彼女は無邪気に微笑んだ。あまりにも無邪気過ぎて、かえって恐ろしさが醸し出ているような微笑だった。
「じゃ、来て」
 理由の無い言葉。お願いや要請というレベルではない。いきなりの命令である。
 微笑む彼女に、リグルはなけなしの唾を飲み込み、満身の勇気を以って返答に臨む。
「ぃ……嫌、です」
 一世一代の覚悟による、どうにか絞り出た掠れ声。行けばどうなるか全く分からない以上、せめて説明が欲しかったのである。
 すると彼女は不思議そうに首を傾げた。
 そのままの首の角度で彼女はとんとんと軽やかに歩を進め、硬直するリグルの間近に顔を寄せる。互いの息がかかるどころか、互いの鼻が互いの頬に触れそうな程に。
 身動きが取れず、息を呑むリグル。
 不思議そうな表情のままでリグルを見つめる彼女は、その表情に相応しい声でこう言った。
「何それ?」
 と。
「……ぇ?」
 真正面から言われた言葉。理解できないリグルは思わず間抜けな声を出してしまうが、それでも目前の彼女の表情は一切変わらなかった。
 暫し二人は見詰め合う。
 何がなんだか分からないリグルはどうしようどうしようと内心での堂々巡りを加速させ、硬直した相手の顔をじっと見つめる彼女の表情は不思議そうなままで。
 ただ、川の流れる音だけが聞こえていた。

・         ・         ・         ・         ・         ・         ・

―――不可解だわ。
 石像のようになってしまった少女を間近に、幽香はそんな事を思う。
 こちらの疑問に答えるでもなく動かなくなった少女が、幽香は不可解で仕方が無かった。
 勿論、幽香は理解していないが幽香が原因である。夢幻館の警護役を務める二人ならともかく、殆ど交流の無かった相手に対し、普段通りの自分のままで物事が通じると思い込んでいるからだ。
 それでこそ幽香、というか大妖怪とも言えるが。
 ともあれ、少女の瞳をいつまで覗いていても、窺えるのは恐怖と困惑と混乱である。少女の意味の分からない言葉に対し気紛れを起こしていたものの、代わり映えのしない瞳の色にそろそろ飽きてきた。
 だから、ひょいと顔を離す。
 息を呑む音が少女から漏れる。
 その警戒や不審や怯えを当然のものとして受け止めて、幽香は大胆且つ繊細に、少女の腰に腕を回しあっという間に脇に抱えていた。
「ぅえっ? ぇええっ!?」
 少女が変な悲鳴を挙げる。
 しかし幽香はそれに委細構う事無く、地を蹴った。
 何せこの、蟲を操る程度の能力を持った少女は現在とても必要なのだから。
 右手に傘を、左手に少女を。
 そんな様で幽香は優雅に空中散歩へと繰り出した。
 左手の少女は既にすっかり静かになっていたが、幽香は気にしていない。
 陽の明るさに目を細め、風の匂いを楽しみ、しかし口元はへの字だった。
 少女の言葉の意味が分からないままだからである。
 その言葉とは即ち、「嫌」
 一般的に考えれば拒否の意志を告げる最も基本的な言葉。
 だが幽香に取っては、まさしく意味の分からない言葉だ。
 何故なら幽香は拒否をしないし、させないからである。
 余人であれば嫌という所を、幽香はそれを言う変わりに力で捻じ伏せるから。
 そして例え嫌と言われようとも、現在のように相手の意志を気にしないから。
 だから幽香は拒否を知らない。知る必要も無ければ、使わないからだ。
 尤も、今のようになる遥か過去であれば、或いは知っていたのかもしれない。花の妖怪として、まさしくたおやかで可憐で儚げであった頃がもしあれば、だが。
「…………」
 やがて、幽香の口元は元に戻った。
 分からないままでも害は無いと判断したのだろう。
 嫌という言葉が気になった事がそもそも気紛れなのだから。

・         ・         ・         ・         ・         ・         ・

 もはや万策尽きた、諦めるしかない―――
 リグルの思考はそれ一色だった。
 相手が何をしたいかは分からないけれど、取り敢えず自分がロクな目に遭わないだろうというのは分かる。むしろこの状況、有無を言わさず連れ去られてどうして楽観的予測ができるだろうか。
 だからリグルはもう諦めていた。
 瞼は閉ざされ、四肢の力は抜けきって。まさに捕食者に運ばれる獲物の風情を醸し出していた。
 故に気付かない。瞼を開いていれば、心理的には多少違っただろうに。
 ともかく、諦めの暗闇の中、考える事すら止めようとしていたリグルは、
「ぅわっ!?」
 いきなり地面に落ちていた。ただし、いつの間にか空中散歩は終わっていたらしく、高所からの落下という訳ではなかったが。
「…………」
 そして、顔を上げた所で視界に広がる風景に目を奪われた。
 花。
 リグルの視界はそれですっかり埋め尽くされている。
 色もとりどりなら形も様々、多種多様な花々が所狭しと咲き乱れていた。
「わぁ……」
 思わず感嘆の息を漏らせば、
「綺麗でしょう?」
 自慢と満足の混ざった声。
 花園から視線を声に向ければ、そこには当然の事ながら彼女が居た。
「ぅ……」
 思わず離れようと身体が動きかけたが、不思議な事に今の彼女からは威圧感が全く無い。
 我が子を愛でるようにして花園を見つめる彼女は、出遭いの時のような雰囲気が嘘のように慈しみと優しさに満ち満ちていた。
「でもね」
 彼女は言う。
 相変わらず、リグルの事を一切考えていない口ぶりで。
「綺麗なんだけど、長持ちしないのよ。私は花を操りこうして咲かせ続ける事は出来るけど、それは停滞に過ぎないの。この子達は前へ進めないのよ」
「え……?」
「私の花園は、花園に必要な要素が一つ、決定的に欠けているの。それを補って頂戴」
 それだけ言うと、彼女はリグルの方を一顧だにする事無く、スカートを翻し歩いていく。
「……は?」
 その背を呆然と見送り、それからリグルは周囲を見回し、再び呆然となった。
「…………どうしろって言うのかなぁ」
 見渡す限りの花、花、花。絢爛だとか繚乱だとか、そういう表現がしっくりいくくらいの花達である。
 ふむ、と考えつつ、リグルは一先ず歩き出す。あてども無く、ふらふらと。
 数多の香りに包まれながら歩く内、彼女が何を期待して(本当は命令に等しいが)いるのかが分かった。
 彼女がここで言った言葉の端々と、そもそも彼女が真っ先にリグルに言った言葉。
 そして、この花園が静か過ぎるという事から、答えを見つけるのはそう難しい事ではなかったのだ。
「……虫が、居ないんだ」
 そうなのである。花が咲くという事は、蜜や花粉で虫を誘き寄せ、受粉して種を作る為だ。
 けれど、虫が居なければ種が出来ない。故にこの花園の花は咲いたままで、前へ進む事もできずそのままなのである。
 ただ、ならばどうしてこれだけの花が咲き乱れているかが少し分からなかったが―――里の花屋か何処かで種を買っているのだろう。きっと。
「ちゃんと最初からそう言ってくれればなぁ……」
 気の抜けた様子でやれやれと頭を掻き、リグルは溜息を付く。
 確かに、彼女のような存在がしょっちゅう訪れるのであれば、野性の虫は身の危険を感じて寄り付かないだろう。そこで、どうやって知ったかはともかく、リグルの能力に目を付けた訳だ。
「…………」
 腰に手を当て、青空を仰ぎ、リグルはふと気付く。
「ひょとして―――」
 今後、勝手に此処から出られないんじゃないだろうか、と。
 彼女が来るたびに虫が逃げてしまうのなら、その都度呼び集める必要がある訳で。
「……うわ~」
 勿論逃げようものなら、というか彼女の意に沿わない時点で、あっさりリグルは殺されるだろう。妖怪は自分の事しか考えず、力ある者ほどそれが顕著なのだから。
 溜息を零し、その内何とかなるかなぁ、と思いながら、リグルは一先ず虫をこの花園に呼び寄せる事にした。
 経緯とか色々考えなければ、ここで暮らすというのもそう悪くなさそうだから、と前向きに前向きに考えて。

・         ・         ・         ・         ・         ・         ・

 帰ってきた幽香は、至極ご機嫌だった。
 それこそ警護の二人が不審に思ってしまうくらいに。
「何か、あったのですか?」
 傘を受け取るついでに、つい一人が聞いてしまっていた。
 いくら機嫌が良かろうと、何が原因でイジメの原因になるかが分からないのが幽香である以上、彼女から言い出さない限り理由を知る事は出来ないのに。
 大鎌を持つもう一人は、同僚の過失に心の中で同情した。その同僚も、言ってから硬直していたが。
 しかし。
「あぁ、庭師を一人雇ったのよ。良く働いてくれる筈よ」
 返答があった。
 のみならず、笑顔で、しかもそのまま何のお咎めも無く幽香は館の奥へと歩いていく。
 二人は顔を見合わせ、暫く信じられないような顔をして、それから庭師の顔を見に行く事にした。


















 花園で出会ったその庭師が、庭師という扱いである事に酷く驚いていた為、二人は庭師の肩に手をやって、「諦めなさい」と一言。
 庭師も何となく分かっていたらしく、特に文句を言うでもなく、苦笑を零しながら項垂れていた。
 読了ありがとう御座います。何ともギリギリでしたねHodumiです。
 という訳で、リクを一つ消化です。万華鏡の彼方様、大変長らくお待たせしました。
 幽香最強+リグルほのぼの……ほのぼの? でもルーミアは入れられませんでした。申し訳ない所です。

 さてはて、ブログで大口叩いた以上出来なかったら他の面子にどういう目に遭わされるか何となく予想できるので何とか出来ましたが……。
 実際こうして作品としての形まで持ってこれたのは久々で、さて如何なものでしょう。
 楽しんでいただけたのなら幸いです。

 それでは、またいずれ。
Hodumi
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