※この作品は、Coolier様にある東方創想話の作品集27に投稿されていたものです。
「あっはははははおはよう幻想郷! 今年も春が律儀にも来てやったぞー!」
「わぁ、テンション高いね! あけぼのー!」
「感謝するが良いさー! さぁ、惜しみ無い謝辞を遠慮も容赦も躊躇も無くー!」
「誰にするの?」
「…………」
「…………」
「おっ! そらそこのカエルめ! 眠た気な目をとっとと覚ましてゲコゲコ跳ね回るが良いわー!」
「わぁ、何か悪ーい!」
「おっと、突如快活に跳ねて池に落ちて言ったぞ。あはは腹から落ちたから浮かんでるよカエルの癖に、バッカじゃーん」
「きゃははははははは~、バカバカー。寝起きで無理するなんてお間抜けさんー」
「あっははははははははは」
「きゃははははははははは」
「さーぁってやっぱり春は暖かいなぁ陽射しも空気も風もとっても暖かいなぁー」
「ごめん私眠くなってきちゃった……」
「わぁ待て寝るな今寝たら死ぬぞ!? 誰か! 誰かー!」
「う~ん、むにゃむにゃ……」
「早っ! 本気で早っ!」
「すかひょー……」
「しかも微妙にいびき混じってないかその寝息ー! ちゃんと横向いて寝なさい。そうすればいびきは改善される。改善されなかったらお前はもう手遅れだから池に棄てて行く。そして私はお前の死を乗り越え一回り成長するのさー! 乗り越えれなかったら廃人だから必死だね!?」
「ん…………は、春ー……春がー……」
「何!? 春か!? 春がどうした!?」
「ああっ、逃げて、逃げてー!?」
「わぁああ何か急展開な夢だな!? 春がどうなった!? ていうか春が逃げてるのか今!?」
「…………」
「…………」
「…………うわぁ、たーのしーぃ♪」
「楽しくねぇし訳分からねぇよこのスットコ。起きろ」
「痛ぁー!? 何で突然痛いかなぁ!?」
「いくら春だからっていきなり寝るなよ」
「……あれ? 私、寝てた?」
「寝てたから起こしたんだけどなぁ」
「そうなんだ。ありがとう」
「どういたしまして。で、どんな夢見てた?」
「夢? ……覚えてないなぁ」
「…………」
「…………」
「まぁどうでもいい事か。そんな事より」
「事より?」
「楽しいな!?」
「楽しいね!?」
「春だからな!」
「春だもんね!」
「嬉しいな!?」
「嬉しいね!?」
「春故にな!?」
「春故にね!?」
「喜悦だな!?」
「喜悦だね!?」
「あっははははははは」
「きゃははははははは」
「うわ、何アレ……」
「チルノちゃん、ああいうのは目を合わせちゃ駄目だよ。こっち来るから」
「そうなの?」
「だから見ちゃ駄目だってばー」
「おーっとそこの氷精とその他! 私達を只で凝視しようなんて太い根性だな!? 修正してやるー!」
「この場合修正ってあっためれば良いのかな~?」
「知るかよそんなもん」
「えぇー」
「四の五の言わずにあの氷精とその隣の妖精にも春を告げてやるのだー!」
「告げるのだー!」
「ごめん。手遅れ」
「うわぁこっち来た!?」
「何かやだなぁ。逃げようか?」
「そうしようよー。春に攫われちゃうよー」
「レティー! どこ行ったのレティー!?」
「ああっ、トラウマがっ!?」
「おーっと逃げるか逃げるか逃げるのかー!?」
「逃げるねぇ逃げるねぇ。何か大変そうだけど」
「よし、去る者は追わずべきかそれとも追うべきか。どう思う?」
「別に氷精はシカトしてもいいと思う」
「そうだな。春を告げる都合上どうでもいいし。よし、じゃあ見なかった事に」
「さんせ~」
「それでだね」
「うん」
「つまり春なのさ」
「その通りだねぇ」
「で、春だからといって春を弾幕で表現するのもそろそろマンネリかと思うんだけどそこの所どうかねそこの白っぽいの」
「白っぽいのは酷いなぁこの薄汚れた黒いの」
「なんだとー!? この美しい漆黒のどこが薄汚れかな!? 大体薄汚れたといったらお前の羽の薄汚れっぷりも相当なもんだとおもうけど!?」
「えー!? これは灰色と言いましてね!? 薄汚れは酷いと思うなぁこの鴉の行水ー!」
「待て、それはひょっとして悪口か。その、鴉の行水とかいうのは」
「だって黒いじゃん」
「肌は黒くないし羽も黒くないしそもそも水浴びも湯浴みも一緒にやってんだからお前も鴉の行水じゃん」
「むー」
「まぁどうでもいい事か。それで、春をどう表現するかだけど」
「弾幕で何か問題でもあるのー?」
「さっきマンネリだとか言った気がすんだけど早速忘れたなこの低脳ホワイトめー!」
「て、低脳は酷いと思うなぁ!」
「だってあんた年中春じゃん。それこそ夏でも秋でも冬でも口を開けば春春春とー!」
「何か問題でも!? 私は春を告げる妖精だから春を告げる事に何か問題でもっ!?」
「一々繰り返すなこの脳内ほんわかふわふわめー!」
「それもどうかと思うなぁ!?」
「そもそも私もあんたも春を告げる妖精なのであってだね」
「うん」
「……春でもない夏だか秋だか冬だかに春春言うのはバカなんじゃねぇの?」
「ひどーいっ! それ酷いなぁ!」
「酷くない酷くない」
「酷いってー」
「まぁどうでもいい事か。それで、春を弾幕以外でどう表現するかだけど」
「弾幕じゃだめなのー?」
「しつこいよお前! これまで何回弾幕で春バラ撒いて来たと思ってんの!?」
「今までもそしてこれからも弾幕でいいじゃないのー」
「……ぶっちゃけるとな?」
「うん?」
「飽きた」
「えー!?」
「そんな驚くなよ」
「で、何に飽きたの?」
「……時々本気でお前が凄いと思う事がある」
「え~? 褒めないでよも~」
「……で、何に飽きたがだけど」
「うん」
「春を弾幕で表現するのに飽きた」
「えー!?」
「そんな驚くなよ」
「何で飽きちゃうかなぁ……っ。何で飽きちゃうかなぁ……っ」
「繰り返さなくても良いって。春だの何だので一々弾幕撒くのに飽きただけだからなぁ―――っていうか何だその哀れみっていうかもう一段階上げて憐憫の情に満ち溢れた面は。叩くぞ。ぐーで」
「ぐ、ぐーは嫌ー! 痛いからぐーは嫌ー!」
「うるさいっ」
「きゃーっ」
「―――っと痒いなぁ」
「うわぁ、酷いなぁ!? そのフェイントはあまりにも酷いなぁ!?」
「まぁどうでもいい事か。それで―――」
「ところで何で飽きたの?」
「…………」
「……?」
「春だなぁ……」
「春だねぇ……」
「でだ」
「うん」
「飽きたは飽きたって事。ほら、退屈な繰り返しになんかもう精神磨耗っていうか、衰弱っていうか、えーっと、あるじゃん? 拷問とかで、狭い牢屋に押し込んで上から水滴を一定間隔で垂らし続ける奴」
「うひゃぁ、その内水が溜まって窒息しちゃうねぇ。ぶくぶく~って」
「……うん、ごめん、私が悪かった」
「何で謝るのー!?」
「うるさいよお前」
「だって春だから!」
「春じゃあしょうがないね!」
「春ー!」
「まぁ重要な事だが今はそれをどう表現するかだけど。弾幕以外で」
「でも私は弾幕でやるから」
「え」
「するとコンビ解散だね」
「ええ?」
「色々辛い事があったけど、今まで楽しかったよ」
「ちょっと待ってよ」
「何? 別れを惜しむの?」
「ていうか何でお前そうも躊躇無くそういう選択が出来るかな!?」
「えー? だってほら、うーんと……ねぇ?」
「小首傾げられても分からねーよこのバカ」
「酷いなぁ! バカは酷いと思うなぁ!?」
「あー、ごめん、つい事実が口からぽろっと」
「さっきも言われた気がするけどバカって言う方がバカなんだよ!? あなたもバカになっちゃうよ!?」
「そこで心配するのか。お前は」
「だってバカって大変だと思うの」
「というかさ」
「うん」
「さっきお前、〝あなたも〟とか言ったよな」
「言ったね」
「てことは、だ。お前、自分で自分が頭弱いって自覚してるだろ」
「な、何の事かなぁー!?」
「うん、良く分かった。バカは大変なんだね」
「ひどーいっ! 酷い酷い酷いー!」
「まぁどうでもいい事か。それで、私が弾幕を嫌がった場合、コンビ解散は避けられないの? ひょっとして」
「だって私は弾幕がいいし」
「そうは言うけど」
「一緒に弾幕しようよ~」
「そうは言うけど……っ」
「ねーねーねー、弾幕~」
「だけどそろそろ変化が欲しくてね?」
「私はあなたと弾幕していきたいなぁ。今までもそうだったし、これからもずっと一緒に弾幕したいなぁ」
「…………」
「ね?」
「ちくしょうその小首傾げには騙されんよー!?」
「えぇー!?」
「でも今年はまぁいっかって気分にはなった」
「わぁーい」
「何せ春なんだし!」
「何せ春だもんね!」
「あはははははははは」
「きゃははははははは」
「「春ーっ!」」
「あっはははははおはよう幻想郷! 今年も春が律儀にも来てやったぞー!」
「わぁ、テンション高いね! あけぼのー!」
「感謝するが良いさー! さぁ、惜しみ無い謝辞を遠慮も容赦も躊躇も無くー!」
「誰にするの?」
「…………」
「…………」
「おっ! そらそこのカエルめ! 眠た気な目をとっとと覚ましてゲコゲコ跳ね回るが良いわー!」
「わぁ、何か悪ーい!」
「おっと、突如快活に跳ねて池に落ちて言ったぞ。あはは腹から落ちたから浮かんでるよカエルの癖に、バッカじゃーん」
「きゃははははははは~、バカバカー。寝起きで無理するなんてお間抜けさんー」
「あっははははははははは」
「きゃははははははははは」
「さーぁってやっぱり春は暖かいなぁ陽射しも空気も風もとっても暖かいなぁー」
「ごめん私眠くなってきちゃった……」
「わぁ待て寝るな今寝たら死ぬぞ!? 誰か! 誰かー!」
「う~ん、むにゃむにゃ……」
「早っ! 本気で早っ!」
「すかひょー……」
「しかも微妙にいびき混じってないかその寝息ー! ちゃんと横向いて寝なさい。そうすればいびきは改善される。改善されなかったらお前はもう手遅れだから池に棄てて行く。そして私はお前の死を乗り越え一回り成長するのさー! 乗り越えれなかったら廃人だから必死だね!?」
「ん…………は、春ー……春がー……」
「何!? 春か!? 春がどうした!?」
「ああっ、逃げて、逃げてー!?」
「わぁああ何か急展開な夢だな!? 春がどうなった!? ていうか春が逃げてるのか今!?」
「…………」
「…………」
「…………うわぁ、たーのしーぃ♪」
「楽しくねぇし訳分からねぇよこのスットコ。起きろ」
「痛ぁー!? 何で突然痛いかなぁ!?」
「いくら春だからっていきなり寝るなよ」
「……あれ? 私、寝てた?」
「寝てたから起こしたんだけどなぁ」
「そうなんだ。ありがとう」
「どういたしまして。で、どんな夢見てた?」
「夢? ……覚えてないなぁ」
「…………」
「…………」
「まぁどうでもいい事か。そんな事より」
「事より?」
「楽しいな!?」
「楽しいね!?」
「春だからな!」
「春だもんね!」
「嬉しいな!?」
「嬉しいね!?」
「春故にな!?」
「春故にね!?」
「喜悦だな!?」
「喜悦だね!?」
「あっははははははは」
「きゃははははははは」
「うわ、何アレ……」
「チルノちゃん、ああいうのは目を合わせちゃ駄目だよ。こっち来るから」
「そうなの?」
「だから見ちゃ駄目だってばー」
「おーっとそこの氷精とその他! 私達を只で凝視しようなんて太い根性だな!? 修正してやるー!」
「この場合修正ってあっためれば良いのかな~?」
「知るかよそんなもん」
「えぇー」
「四の五の言わずにあの氷精とその隣の妖精にも春を告げてやるのだー!」
「告げるのだー!」
「ごめん。手遅れ」
「うわぁこっち来た!?」
「何かやだなぁ。逃げようか?」
「そうしようよー。春に攫われちゃうよー」
「レティー! どこ行ったのレティー!?」
「ああっ、トラウマがっ!?」
「おーっと逃げるか逃げるか逃げるのかー!?」
「逃げるねぇ逃げるねぇ。何か大変そうだけど」
「よし、去る者は追わずべきかそれとも追うべきか。どう思う?」
「別に氷精はシカトしてもいいと思う」
「そうだな。春を告げる都合上どうでもいいし。よし、じゃあ見なかった事に」
「さんせ~」
「それでだね」
「うん」
「つまり春なのさ」
「その通りだねぇ」
「で、春だからといって春を弾幕で表現するのもそろそろマンネリかと思うんだけどそこの所どうかねそこの白っぽいの」
「白っぽいのは酷いなぁこの薄汚れた黒いの」
「なんだとー!? この美しい漆黒のどこが薄汚れかな!? 大体薄汚れたといったらお前の羽の薄汚れっぷりも相当なもんだとおもうけど!?」
「えー!? これは灰色と言いましてね!? 薄汚れは酷いと思うなぁこの鴉の行水ー!」
「待て、それはひょっとして悪口か。その、鴉の行水とかいうのは」
「だって黒いじゃん」
「肌は黒くないし羽も黒くないしそもそも水浴びも湯浴みも一緒にやってんだからお前も鴉の行水じゃん」
「むー」
「まぁどうでもいい事か。それで、春をどう表現するかだけど」
「弾幕で何か問題でもあるのー?」
「さっきマンネリだとか言った気がすんだけど早速忘れたなこの低脳ホワイトめー!」
「て、低脳は酷いと思うなぁ!」
「だってあんた年中春じゃん。それこそ夏でも秋でも冬でも口を開けば春春春とー!」
「何か問題でも!? 私は春を告げる妖精だから春を告げる事に何か問題でもっ!?」
「一々繰り返すなこの脳内ほんわかふわふわめー!」
「それもどうかと思うなぁ!?」
「そもそも私もあんたも春を告げる妖精なのであってだね」
「うん」
「……春でもない夏だか秋だか冬だかに春春言うのはバカなんじゃねぇの?」
「ひどーいっ! それ酷いなぁ!」
「酷くない酷くない」
「酷いってー」
「まぁどうでもいい事か。それで、春を弾幕以外でどう表現するかだけど」
「弾幕じゃだめなのー?」
「しつこいよお前! これまで何回弾幕で春バラ撒いて来たと思ってんの!?」
「今までもそしてこれからも弾幕でいいじゃないのー」
「……ぶっちゃけるとな?」
「うん?」
「飽きた」
「えー!?」
「そんな驚くなよ」
「で、何に飽きたの?」
「……時々本気でお前が凄いと思う事がある」
「え~? 褒めないでよも~」
「……で、何に飽きたがだけど」
「うん」
「春を弾幕で表現するのに飽きた」
「えー!?」
「そんな驚くなよ」
「何で飽きちゃうかなぁ……っ。何で飽きちゃうかなぁ……っ」
「繰り返さなくても良いって。春だの何だので一々弾幕撒くのに飽きただけだからなぁ―――っていうか何だその哀れみっていうかもう一段階上げて憐憫の情に満ち溢れた面は。叩くぞ。ぐーで」
「ぐ、ぐーは嫌ー! 痛いからぐーは嫌ー!」
「うるさいっ」
「きゃーっ」
「―――っと痒いなぁ」
「うわぁ、酷いなぁ!? そのフェイントはあまりにも酷いなぁ!?」
「まぁどうでもいい事か。それで―――」
「ところで何で飽きたの?」
「…………」
「……?」
「春だなぁ……」
「春だねぇ……」
「でだ」
「うん」
「飽きたは飽きたって事。ほら、退屈な繰り返しになんかもう精神磨耗っていうか、衰弱っていうか、えーっと、あるじゃん? 拷問とかで、狭い牢屋に押し込んで上から水滴を一定間隔で垂らし続ける奴」
「うひゃぁ、その内水が溜まって窒息しちゃうねぇ。ぶくぶく~って」
「……うん、ごめん、私が悪かった」
「何で謝るのー!?」
「うるさいよお前」
「だって春だから!」
「春じゃあしょうがないね!」
「春ー!」
「まぁ重要な事だが今はそれをどう表現するかだけど。弾幕以外で」
「でも私は弾幕でやるから」
「え」
「するとコンビ解散だね」
「ええ?」
「色々辛い事があったけど、今まで楽しかったよ」
「ちょっと待ってよ」
「何? 別れを惜しむの?」
「ていうか何でお前そうも躊躇無くそういう選択が出来るかな!?」
「えー? だってほら、うーんと……ねぇ?」
「小首傾げられても分からねーよこのバカ」
「酷いなぁ! バカは酷いと思うなぁ!?」
「あー、ごめん、つい事実が口からぽろっと」
「さっきも言われた気がするけどバカって言う方がバカなんだよ!? あなたもバカになっちゃうよ!?」
「そこで心配するのか。お前は」
「だってバカって大変だと思うの」
「というかさ」
「うん」
「さっきお前、〝あなたも〟とか言ったよな」
「言ったね」
「てことは、だ。お前、自分で自分が頭弱いって自覚してるだろ」
「な、何の事かなぁー!?」
「うん、良く分かった。バカは大変なんだね」
「ひどーいっ! 酷い酷い酷いー!」
「まぁどうでもいい事か。それで、私が弾幕を嫌がった場合、コンビ解散は避けられないの? ひょっとして」
「だって私は弾幕がいいし」
「そうは言うけど」
「一緒に弾幕しようよ~」
「そうは言うけど……っ」
「ねーねーねー、弾幕~」
「だけどそろそろ変化が欲しくてね?」
「私はあなたと弾幕していきたいなぁ。今までもそうだったし、これからもずっと一緒に弾幕したいなぁ」
「…………」
「ね?」
「ちくしょうその小首傾げには騙されんよー!?」
「えぇー!?」
「でも今年はまぁいっかって気分にはなった」
「わぁーい」
「何せ春なんだし!」
「何せ春だもんね!」
「あはははははははは」
「きゃははははははは」
「「春ーっ!」」