穂積名堂 Web Novel

文々。日和 弌

2012/02/29 01:44:01
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文々。日和 弌

Hodumi
※この作品は、Coolier様にある東方創想話の作品集28に投稿されていたものです。



 うららかな陽射し、気だるい空気。
 充分な日光に暖まった世界は、深く心地良い春眠を約束してくれるだろう。
 そんな中、蒼空を翔る一陣の風。
 その風は幻想郷で最も速く、風の中心には黒翼を一杯に広げる射命丸 文の姿があった。
 ネタ探しである。
 記者業と印刷業と配達業を一人で担わなければならないのが、文々。新聞の辛いところだ。
 もっとも、他の天狗仲魔は文の速度に付いて来れず、また文もネタを逃すまいと速度を弛める事を決してしない。その上新聞の体裁や記事の内容にも人一倍拘る為、流れ流れて今の状況は必然ともいえる。
 ただ、文は現状を苦に思った事はなかった。
 自分が獲得したネタで自分の好きなように新聞を作り、自分が読んでもらいたい人の所へ配る事が出来るのだ。一人で全てをこなすからこそ、自由という点で素晴らしい。
 高速が生みだす狭窄した視界の中、それでも文は眼下に広がる幻想郷を具に見、どんな些細な事も見逃すまいと意識を目に集中させていた。
 視界を流れるのは緑一面。
 魔法の森に次いで深く広い森林であり、小高い山林でもある。
「―――ん」
 ふと、目があるものを捉えた。
 捉えた瞬間にネタになり得ると判断し、その頃には通り過ぎているので一度大きく旋回して、先程捉えたものの元へと滑空して行く。
 森林の中、ぽっかり空いたスペースへと。



「毎度どーも、文々。新聞ですー」
 翼を巧みに操って緩やかに降下しながら、文は元気に言った。
「おや鴉天狗。何しに来たのさ?」
 声を掛けられた相手は目線を寄越すと、適当に応える。
 高空から地面へ静かに着地した文は、古びた堂の縁側で寝そべる伊吹 萃香に笑顔を見せた。
「取材にでもと思いまして」
「ここは何にもないよ」
 にこにこと言いながら歩み寄ってくる文に対し、萃香は酒を軽く呷り素気無く言う。
「あなたが居るじゃないですか」
「私に取材?」
 しかし文は引き下がらず、萃香は意外気に自分を指差した。
「ええ。……その様子だと、萃香さん私の新聞読んでませんね?」
「こちとら情報収集に新聞を頼るまでもないからねぇ。ちょっと散って萃まれば幻想郷の事は大概分かる」
「むぅ」
 尤もな言葉に文は一瞬言葉を詰まらせる。百聞は一見にしかずの言葉通り、いくら分かり易い記事を綴ったとしても、実際に目で見られていては敵わない。
「そうかもしれませんが、ともあれ現在文々。新聞では好評を博している連載記事がありまして」
「へぇ」
 返事と共によっと萃香は身を起こし、縁側から足を投げ出し座る体勢となる。
 これを興味関心からと受け取り、文はいくらか気分を良くした。
「幻想郷の著名人もしくは時の人等に話を聞いて、日頃何をしているかを記事にしてるんですよ」
「例によってゴシップの種?」
 得意げな文に水を差すように、にやにやしながら萃香は言う。
「それについては読み手の判断という事にしています。私は情報を新聞に載せて発行してるだけですから」
「恣意的だねぇ」
 だが全く迷いの無い切り返しに、呆れたような息を吐いた。
「そうでしょうかね? ……まぁともかくとしまして、お時間があるのなら取材の方に入ってもよろしいですか?」
 すちゃ、とどこからか手帖と筆を構える。既に好奇心が表情と言わず全身から見え隠れする辺り、滅多な事で引き下がるつもりは無さそうだ。
「ん~……確かに今の所暇だね」
 だから萃香は承諾した。
「ただ、あまり長くは持たないだろうけど」
「? ……じゃあ、手短に済ませましょうか」
「いや、そっちの随意で良いよ?」
「分かりました」
 頷いた文に、萃香は自分の隣のスペースを軽く叩く。
「座る?」
「あ、どうも」
 軽く頭を下げ、文は縁側に腰掛ける。その後、いざ、とばかりに口を開こうとするのだが、
「…………」
 瓢箪をラッパに酒をぐいぐい呑む萃香を目にして言葉を失った。
 ぷは、と息を吐いた所で、萃香は自分を凝視する文の視線に気付く。
「……呑む?」
 ちゃぽん、と良い音を立てて瓢箪が文の方へ向けられた。
 そうされてやっと気付いたのか、文は慌てて首を振る。
「あ、いえいえいえ。あなたと呑み比べする気はもうありませんから。惜しいですけどネタを萃めてもらうのは諦めました」
「あっはっは、確かにあの時は大変だったねぇ、お互い」
「二日酔いなんて久しぶりに経験しましたよ」
 文はとほほとばかりに溜息を吐き、萃香は愉快気に笑う。
「私は二日酔いなんてしないけどね~」
「流石は鬼ですね」
「呑んでも呑まれるなって奴さ~」
「成る程成る程。でですね、早速色々聞きますが」
 鬼の論に適当に賛同し、やや強引ながらも文は切り出した。
「うん」
 素直に応じ、萃香は瓢箪を抱え質問を待つ。
「えーっと、幻想郷に来てからというもの、日頃は何してるんですか?」
 率直な問いである。
「ん、最初の内は霊夢の所で三日おきに宴会開いてたんだけど……怒られたから最近は自粛してるねぇ」
 萃香の返答の内重要な部分を手帖に書きながら、三日おきの宴会という言葉に文はつい言葉が出ていた。
「あぁあの宴会」
「そ、あの宴会」
 縁側から投げ出した足をぶらぶら揺らしながら萃香は答える。
「主催は巫女だと思ってましたが」
「私が宴会の面子を萃めてたのさ」
 別件の真相を思わぬところで入手し、文はその事も手帖に記入して行く。
「すると、神社の回りにあった薄い妖気は……」
「それが私」
「へぇ」
 道理で、少々厄介な気がしてたんですよ。
 そう続く筈の言葉を呑み込み、文は別の事を口にする。
「それで、怒られたとは、誰に?」
 文は鬼の性質上、素直に答えを得られるとは考えていなかったが、
「霊夢に。後片付けが面倒だから良い加減にしてよとか何とか」
 萃香はあっさり口にした。
 鬼が他者に負けた事を認めたり、その相手の名を口にするとは考え難かったが、相手が霊夢だからだろうか。それとも、文の認識に誤りがあったのか。
 この点は今後の萃香との付き合いで明らかになるだろうと考えて、文は言葉のやりとりを続行する。
「成る程、巫女らしい言い分ですね」
「毎日開くよりは、色々考慮してあげたんだけどなぁ」
 如何にも鬼らしい自分中心な物言いだが、それを言ったら霊夢も同レベルである。
 それに、文は萃香に対し同情的に頷いていた。
 如何にも妖怪同士らしい。
「まぁ巫女は根本的に違いますから。色々と」
「違うねぇ」
 揃って諦念の息を吐き、それから文が口を開いた。
「それで、今は何を?」
「たまに前みたく人妖を萃めて宴会開いたり、里で人と勝負して攫ったり。他は大概長閑にのんびり呑んだくれてるよ」
「気ままですねぇ」
 記帳しつつ、文は相槌を打つ。
「鬼だもの。何にも遠慮する必要なんて無いじゃない」
「ですよね」
「でしょ」
「それで、先ほど……里で人と勝負して攫ったり、との事ですが」
 手帖のページを捲りながら言った。
「活きの良い人間しか相手にしないよ。で、勝ったらそいつの子供かそいつの友達の子供を攫うのさ」
「……随分子供に拘りますね」
「大人は知恵があるから攫った後が面倒でねぇ。その分、子供は敵意が無い事を示してやればある程度言う事聞くしね」
 萃香の言葉を記し、それからふむ、と一息入れてから文は言う。
「食用じゃないんですか?」
「どうせ食べるんなら大人の方が良いよ」
「私は柔らかい方が好みですが」
 萃香の主張に、文は顎に指をやりながら言った。
「柔らかいのは確かに良いけど、子供は味が単純で浅いから」
「あー」
 文は鬼は食感よりも味に拘る、と手帖に記す。
 そして当然湧いてくる疑問がある。
「でも食べる訳でも無しに、子供集めてどうするんです?」
 聞かれ、萃香は頭を掻く。
「萃めようってつもりは無かったんだけどねぇ。ま、結果的に増えただけだし」
「まさか養ってるんですか?」
「人間達が取り返しに来た時に、死んでましたじゃあ約束違反でしょうに」
 取り返す、という萃香の言葉に首を傾げつつ文は言う。
「……それは確かにそうですが。律儀ですね」
「約束は例え口約束でも鬼は破らないよ」
 意外そうな文の言葉に、萃香はややむっとしながら言った。
「それもそうですね。……えーと、纏めると、萃香さんは最近は人の子供と長閑に過ごして居るという事になりますか」
「……あー、そういえばそうだねぇ」
 萃香は言われて初めて気付いたように言う。
「萃香さんは幻想郷では唯一の鬼ですし、これは中々注目を集めそうです」
「鬼の話題が妖怪の耳目を萃めるっていうのも何だかなぁ」
 うきうきする文に萃香はやや不満そうだ。
「珍しいですから」
「何だかなぁ」
「まぁまぁ。そういえば子供達は今何処に?」
 質問に、萃香はひょいと親指で後ろの堂を示す。
「堂の中で昼寝中。ある意味、里で暮らすより私の庇護下にあった方が連中の為かもしれないねぇ」
「それは確かに。傍から見て、その子供達は鬼の囲われ者にしか見えませんし」
「鬼と分かっても喧嘩売るくらいの気骨溢れる妖怪は居ないものかなぁ」
「居るとは思いますが、この辺りには居ませんねぇ。紅魔館や夢幻館、どこにあるか具体的には知りませんが、マヨヒガ辺りの近郊に居を構えればまず間違いないと思いますよ」
 わざわざ教える辺り、親切心というよりも好奇心が伺えた。だが考えてみれば、わくわくしたくもなるだろう。
 しかし萃香は面倒そうに「え~?」と零す。
「組織立ってる連中はしつこいからなぁ。徹底的に相手しても良いけど、領地乗っ取る気もないのに潰しても混乱するだけだし。紫はそもそも手を出してこないだろうし」
 何気ない言葉。これを聞いて文は背にうそ寒いものを覚え、思わず呟く。
「……平然と言いますね」
 さすがは鬼と言うべきか、恐らくその気になれば打倒できると本気で思っているのだろう。永遠に紅い幼き月も、四季のフラワーマスターですらも。
 そう感じさせるほど、萃香の言葉があまりにもさりげなく、あまりにも日常的な響きを帯びていた。
「何が?」
「いえ別に」
 聞いてきた萃香に、文は一瞬で何事も無かったかのように対応する。
「……ふぅん」
 これに萃香は何か含みのある返事をするだけで、特に突っ込むような事はしなかった。口で聞き出すのが面倒だとでも思ったのだろう。
「……あ、時間が無いような事を仰ってたようですが、まだ良いんですか?」
 誤魔化すように話題を変える。
「ああうん。今日、里から代表が一人、子供を取り返しに来る事になってるのさ」
 萃香も敢えてそれに乗った。
「へぇ、里の代表が」
「そ。こっちの人間はそう多くないから、後で取り返しにくるよう言っておいたって訳。勝負の方法はいつも通りあっちに決めさせるとして、誰が来るやら」
 聞きそびれていた事を言われ、文は手帖に〝攫った子供はあくまで勝負を続ける為の人質である〟と付け加えた。
 成る程、これなら手元に子供が居る限りいつまでも人間と勝負を愉しむ事ができるだろう。中々上手い手だ。
 感心し、それから言う。
「……慧音さんじゃ?」
 人里は幾つかあるが、目立って強い人間の噂はあまり聞かない。それに、巫女や黒白魔法使いは里とあまり強く関わりを持っているとは思えないし。
 だが文の言葉に萃香は首を横に振った。
「あいつは多分来れないよ。幾つかある人里防衛の要だもの。あいつが里の界隈から離れたと分かったら、ここぞとばかりに喰い意地の張った連中が里を襲うだろうさ」
「そういえばそうでした」
「それにさ、たかが八人如きの子供の為に、里全体を危険に晒す訳にはいかないでしょ」
「ですねぇ」
 鬼に攫われた子供は全部で八人、と手帖に書き、文は次の質問に入ろうと口を開きかける。
 だが、萃香は手を軽く上げてそれを止めさせた。
「噂をすれば、か」
 最初は何事かという顔をしていた文も、萃香の言葉を受け、そして自分でも彼女が見る方向からの気配を察知し、やや警戒する。
 森の闇から日の光の下に現れたのは、落ち着いた雰囲気を醸す、着物を着た赤い髪の少女だ。
「ああ、あんたか」
「成る程」
 そんな彼女を見るなり、萃香も文も納得の表情を示す。
 そんな様子に、赤い髪の少女は意外そうな顔をした。
「あら、二人とも私をご存知? しかしこちらからは初めましてお嬢さん達。さて、どちらが里の子を隠し奉ったのかな?」
 軽く一礼した後、萃香と文を交互に見る。
「こちらの方で、あ、私は関係無いですから」
 文が立ち上がるなり萃香を手で示し、すすーっと離れて行く。
「そう。では、下がっていなさい。私はこれから、彼女と話があるから」
 赤い髪の少女は笑顔で言い、堂へと、萃香の方へと歩き始める。
「その様で。それじゃ萃香さん、私の方は用もあらかた済んだので、この辺りでお暇させてもらいますね」
「あれ、見ていかないの?」
 目線だけを文に向け、萃香は意外そうに言う。
「余計な事に巻き込まれるのはちょっと」
 そう言って翼を広げた時、
「ああいや、待った」
 赤い髪の少女から制止の声が掛けられた。
「はい?」
「見た所君は鴉天狗の様だけど」
 ふむ、と探偵のような所作で赤い髪の少女は言う。
「ええ」
「だというのなら、つまり君は天狗だよね?」
「それはまぁそうですが」
「すると新聞を刷っては撒いている訳で?」
「ええまぁ」
「そうか」
 文の返事に、赤い髪の少女は満足げに頷いた。
「なら折角だし、同席した方が面白いよ。これから人と鬼の交渉という椿事が始まるから」
 思いもしない言葉に、文の翼は即座に折り畳まれる。
「成る程、それは確かに。……じゃあ私は一歩離れて空気になりますから」
 そして、文は言葉通りになった。
「……交渉?」
 足を再びぶらぶらさせ、萃香は胡乱気な目を赤い髪の少女へ向ける。
「交渉だよ」
「……まぁ、で、里々の代表ってあんたなんだよね?」
 意に介す事なく頷いた赤い髪の少女にやや調子を狂わせながらも、萃香は念を押すように言う。
「あ、そういえば申し遅れた。私は小兎姫という。里で警察をやってる」
 そう小兎姫は名乗った。
「ふぅん。私は伊吹の萃香。長らく鬼をやってるわ。よろしく」
 そして小兎姫は萃香の自己紹介に、神妙な面持ちを見せる。
「鬼。……成る程、調書や聞き込みから伝わってはいたが、まさか本当に鬼だとは。う~ん、確かに、実物に言われると説得力が違う」
「だって本当に鬼だもの」
 やや満足そうに言った後、萃香は切り出した。
「で、子供だよね?」
「うん。子供」
「それなら、この堂の中で仲良くお昼寝中だよ」
「無事?」
 親指で背後の堂を示され、その堂を萃香越しに覗くようにしながら小兎姫は問う。
「無事だとも」
 当然とばかりに萃香は返した。
「それは結構。では、今から取り返しにかかろうかと思う」
「思うだけ?」
「人の思いには行動が付随するよ」
「へぇ、じゃあこっちも応じようか。で、交渉ってどういう交渉?」
 にやり、と萃香は好戦的な笑みを見せる。
「口頭での交渉を」
 しかし小兎姫はその笑みを無視して応えた。
「口頭? 弾幕とかそういうのじゃなくて? 幻想郷はすぐ弾幕をしたがる所だと思っていたけど」
「確かに。美しき弾幕ごっこで魅了したりされたりしたくもある、が。今日の私は交渉人としてここに居るから、弾幕ごっこの用意はしてない」
「それは残念」
「全くです」
 萃香の言に小兎姫は素直に頷いた。
「見た所あんたは出来そうなのになぁ」
「弱いかも」
「本当に? 嘘は駄目だよ嘘は」
 自信無さげな顔をした小兎姫に、ぐ、と上体を前に傾げさせて萃香は軽い威圧を向ける。
「うん嘘。実は強い」
 すると小兎姫はあっさり認め、笑顔で翻した。
 これに萃香は呆れの篭った息を吐く。
「これだから人間は。そんなんじゃ信用されないよ?」
「鬼は冗談を真に受ける、と」
「何メモってるかな」
「いや別に。さて、では始めようか」
 どこからともなく出した手帖を仕舞い、小兎姫は萃香の元へ歩を進める。
「ああ、隣良いよ」
「じゃあお言葉に甘えて」
 萃香に促されるままに小兎姫は彼女の隣に座り、間隔を空けた二人は胡坐と正座で向かい合った。
 そして二人が良く見える位置、言葉を洩らさず聞こえる位置に、文がすすーっと移動する。
「でもさ、あんた一人で大事な事決めちゃって良いの?」
「全権委任されてるから平気。まぁ、実力があって手が空いてるのが私しか居なかったからなんだけどさ」
「切羽詰ってるねぇ。まぁいいか、それで、あんたは何を条件に子供を取り返そうと言うのさ」
 萃香の言葉に、
「先ず、あなたは何を望みますか?」
 小兎姫はそう返した。
「おっと、そうきたか……」
 予想外の第一声を受け、萃香は考える。だが。
「むぅ。私としては、人間相手の勝負事を延々続けたいだけだからねぇ。特に改まって望みと聞かれるとなぁ」
「今すぐは難しい?」
 これに今度は小兎姫が何か考えるような顔をしていた。
 やはり予想外だったのだろう。
「難しいというか、そもそも今以上は望んでないからねぇ」
「なるほど、では、人とあなたとの勝負事において、少し整理したい事が」
「整理?」
「そう、整理」
 萃香の不思議そうな声に、小兎姫は繰り返し言う。
 これに萃香は数瞬訝しげな顔をしたものの、すぐに小兎姫の意図に気付いたのか、納得した顔になった。
 それを見計らい、小兎姫は「では」と前置いた上で話しはじめる。
「勝てば貴方は人を攫う。そして、攫われた者を取り戻す為に我等は改めてあなたに挑む。とすると、始めに我等人が勝った場合は?」
「鬼が人に負けるなんて事は、そっちがずるしない限り滅多にないよ」
「確かに、里の猛者を悉く、それも多岐に渡る方法で打ち負かした時点であなたが負ける事は滅多になさそうだ。しかしこの世の中、何が起こるか知れる訳もなし」
「それもそうか。負けたら考える、じゃ駄目かなぁ」
 小兎姫の言葉に納得しつつも、やはり負けるという事が考えられないのか、どうも萃香は真面目に考えられない。
「いやいやいや、良い訳もなし。その都度気分で変えてもらっては敵わないよ」
 それを何となく察した小兎姫はやや語気を強くし、やや肩を竦めるようにした萃香は案をひねり出す。
「……じゃあ一ヶ月くらい里に近付かないとか」
「恒久に鼬ごっこを続けるつもり?」
「昔っから鬼と人の関係は鼬ごっこだったさ。そっちがずるをし始める前までは、ね」
 鬼が言うのならそういうものだったのだろう。
 調書と聞き込みから浮かび上がった犯人像は、やけに正々堂々を好み、嘘や騙し討ちには容赦をしないが豪放磊落、というものだった為、小兎姫は鬼の言葉を素直に受け止めていた。
 ただ、受け止めても納得はし難い。
「となると、あなたが人を諦める可能性は、無?」
 言葉通りならそういう事になるからだ。
「あんた達がずるば~っかりすれば、外の時みたいに呆れて永遠に手を出さなくなるだろうけど」
「へぇ」
「でも、普通ずるされたら怒るよね」
 萃香の言葉に小兎姫はしめたと思ったが、続く彼女の言葉の威圧に身が縮む思いをした。
「なるほど、鬼に怒られたらどうなるか分かったものじゃない。となると―――」
「鼬ごっこは鬼と人の宿命さ」
「う~ん。そうなるか」
 この点はもはや諦めるしかないか、と小兎姫は溜息を吐く。
 気を取り直し、交渉を続行する。
「……それで、あなたは今後どの程度の周期で里を襲うつもり?」
「気分次第だねぇ。毎日もあれば、三週間くらい寄り付かない事もある。かも」
「なんて気侭」
「鬼だもん」
 率直な感想に率直な返答。
 先程から一言一句聞き漏らさず、また過不足なく手帖に交渉の様子を書いている文はコケそうになった。
「でさ、いつ来るか分からず怯えるよりは、ああこれで一ヶ月は大丈夫だ、っていう安息は割と大きいと思うけど?」
「なるほど、でも、もうちょっと長くならない?」
「私は譲る気はないよ」
「なるほど、じゃ、仕方無い」
 小兎姫はあっさり諦める。
 鬼が譲らないと言ったら譲らないのだろうから、正しい判断と言えた。ある意味間違っているかもしれないが。
「では、今後我等があなたに勝てば、その日より一ヶ月、30日の間全ての里に近付かないという方向で」
「ん、分かった。で、他に何か整理するような事ってある?」
「取り返しに赴き、そしてあなたを打ち負かせなかった場合、果たして子はどうなるのかな?」
「喰うって選択は今の所無いねぇ」
「喰わないと?」
 やはり小兎姫は意外そうに言う。
 それはそうだろう、と文は知らず頷いた。鬼に攫われた人の末路は、大体喰われるか娶られるかのどちらかでしかなく、萃香は見た目子供で攫ったのは子供である。とすれば、誰もが食用と考えるだろう。
「鬼とて人と面白おかしく過ごす事はある。それに、あくまで〝今の所〟ってだけだし」
「……なるほど」
「だけどあんまりそっちが不甲斐無いと困るんだよねぇ。当面増えてくばっかというのも」
 神妙に頷いた小兎姫に対し、井戸端会議での愚痴のような風に萃香が言う。
「それはそうでしょ」
 そして、小兎姫の対応は随分素っ気無かった。
「…………」
「…………」
 しばし視線が交錯する。
 萃香は小兎姫の意図を探るように。
 小兎姫は萃香の反応を待つように。
 数秒して、何かに気付いた萃香が膝を叩いた。
「ああ、これが、あんたの手?」
 小兎姫は頷き、口を開く。
「そう。我等人は確かにあんまり強くない。だからこのままではあなたを長とした集落が形成されかねなかったりする」
「情けないというかなんというか……」
「そう言われると肩が落ちるんだけど、これが我等人が直面した現実であり、乗り越えねばならない障害っていう奴だから」
 呆れる萃香に小兎姫は誤魔化す事無く言った。
 この言葉を受け、萃香は少し考える。
「んー……例えばさ」
「む?」
「私が今気変わりを起こして、堂の子を喰べるって言ったら、あんたはどうするのさ」
 にっ、と意地悪な笑みを浮かべる萃香に、小兎姫は姿勢を正し毅然と言う。
「全力で里の子を護る為、今すぐにでも阻止行動を取る」
 萃香の笑みから意地悪分が薄まり、変わりに愉快分が増えた。
「流石にこんな環境で生きてると、言葉に篭る力が強いねぇ。まぁでも、あんたは交渉で私に挑んだんだから、決着までは交渉してないといけないか」
「力づくの勝負がしたいのなら、今すぐ全てに却下を出せば済むんじゃない?」
 自らの首を絞めるような言葉だが、萃香は首を横に振る。
「相手の言い文に耳を貸す気がないんだったら、そもそも交渉は受けないよ。それに、あんたは弾幕の用意すらもしてないんでしょ?」
「う~ん、言い返せない。……という事は、私はあなたを飽きさせてはいけない訳だ」
「当たり。さて、確かにこのままだと子供が溜まっていく一方だねぇ。私としてはそういうの困る」
「貢物、という手が」
 腕を組んだ萃香に小兎姫はそっと言った。
「貢物ねぇ……」
「美味しいお酒やら、見事な工芸品やら、日持ちする食料やら」
 乗り気じゃなさそうな萃香へ、好感触を得ようと小兎姫は順次述べる。
「一先ずは物々交換で子供を取り戻そうって?」
 だが、萃香の反応は不満気だ。
「安直かなぁ」
「安直だねぇ。こっちが丸儲け過ぎて面白く無い」
「ほう」
「もっと……こう、無いの?」
 目に見えず、また想像も出来ない何かを表現するように手をゆらゆら動かす萃香。
「そう言われても、駆け引きの材料が無いに等しくて、恥を呑んでこちらの脆弱さまで持ち出さねばいけない状況なんだけど……」
「あー、それもそっか。そ~いえばこっちがどう考えても有利なんだっけ」
「だから最初にそちらの要望を聞いたんだけど、困った事に現状で満足してしまってる」
「う~む。でもこっちもそう甘い顔できないんだよねぇ。攫った子が物見遊山気分でも困るし、物を貢げば子が帰ってくる等と思われるのは不愉快だし」
「だが子供が増える一方というのは、歓迎しないんでしょ?」
「だね」
 このやりとりを傍から聞いていて、文はこの交渉は本当に終わるんだろうか、と思い始めていた。
 萃香の方はともかく、小兎姫の方にやる気や熱意が感じられないのだ。本来なら隠すべき本音を吐露する辺りも、確かにそれはそれで一つの手だが、初めて交渉に臨む相手にすべき手ではない。
 というか、そもそも意図が読め無い。
 小兎姫は結局何がしたいのか。
 交渉相手を混乱させ交渉の主導を握るにしても、やり方が甘い。
 よほど思慮深いか、それとも何も考えていないかのどっちかですね、と文は小兎姫の感想を手帖に書いた。いや、両方かもしれない。
 そうして文が首を傾げる中、小兎姫が輪になり掛けていた交渉内容に別の道を作る言葉を放つ。
「―――率直に言ってしまえば、いわば人質でもあるその子供達は、一人でも八人でも同じ事にすれば良いと思う」
「……それで?」
 興味を持ったのか、萃香は聞く体勢に入った。文もだ。
「あなたが攫った子供は、それぞれ別の里の者。どういった思惑故かは知らないけど、多分あなたは人間がどういうものか良く分かった上でこうしたんだと思う。何せあなたが考えているだろう通り、違う里出身の子供の為に危険な役を買って出ようと思う者は少ない。いや、殆ど居ない。だからだとは思うのだけれど、しかし明日は我が身という考えが浸透しさえすれば、己の里の子だろうと、そうでなかろうと、また己の仇の子であろうとも、取り戻さんと腰を上げる筈」
 小兎姫の言葉を聞いて、理解し、それから萃香は「ふむ」と小さく零す。
 つまり彼女は子を全員とは言わないが、何人かでも返せと言いたいのだろう。
 萃香の子が増える一方なのは困る、という言葉に対する返答もこれに繋ぐ為と考えられる。
 成る程、と文は感心した。
 同時に、危険を危険と思わない人なんだな、とも感心した。
「まぁ、私の意図については概ね当たってるかな。でもやっぱり、最近の人間は、恐怖が伴わないと人助けもしないのか?」
「それだけ日々に余裕が無いんだよ」
 問いに対する応えには自嘲が混ざっていた。
「あんたは余裕あり気だよねぇ」
「他人よりまぁ強いし。けど、お陰で、こういう時に普段の仕事の領分から外れた事までしなきゃならない」
 更に自嘲が深くなる。
「ふ~ん」
「まぁともかく」
 にやにやする萃香を留めるように咳払いをし、小兎姫は彼女を真っ直ぐに見た。
「どうかな?」
「う~ん……」
 軽く悩んだ後、萃香は小兎姫と目線を合わせる。
「はっきり言うとさ、私としては、子が八人だろうと一人だろうとそんな事はどうでも良いのよ。肝心なのは人間との真剣勝負だから、それさえ保障されていれば……まぁ、返すよ? 今回は仕方無いから、全員でも良いし」
 一拍置いて「どう?」と言った萃香に、小兎姫は即答した。
「じゃあ保障する」
「じゃあ返還する」
「よし決まり」
 即答に即答が返され、結果即決される。
「えぇー!?」
 これに空気じゃ居られなくなったのは文だ。
「どうしたのさ?」
 目を丸くし口が閉じて居ない文に、萃香は不思議そうに言う。
 小兎姫もまた同じ意図の視線を文へと向けていた。
 納得しているだろう当人同士から揃って不思議に思われ、今までので理解できない方がおかしいんだろうかと考えながら文は言う。
「いや、長々しそうな割に随分あっさり決まりましたね。というか何が仕方無いんですか何が」
「気付いてない?」
 すると小兎姫が文を指差し萃香に言った。
「何がですか?」
「みたい」
 首を傾げる文に、萃香は頷いた。
「……だから何がですかー?」
 訳が分からない、といった文に、
「いや別に」
「うん」
 小兎姫と萃香は頷き合う。
「い、苛めですか!? 謂れ無き差別ですかこれは!」
「そうじゃないよ」
「そうじゃないね」
「うぅ……、何で鴉天狗が鬼と人との結託苛めを受けなければならないんでしょーか……っ」
 似たやり取りが起こり、文はがっくりと膝を突いて大げさに両手で顔を覆った。
「おや椿事」
「実に椿事」
「あ、本当だ―――って、あれ?」
 もしかしなくても誤魔化されてる? と感じ首を傾げる文。
「さてと、じゃあ誓約の証明書か何かを作らないと」
 だがそんな文を、既に小兎姫も萃香も空気扱いしていた。
「人は形に残しておかないと忘れてしまうから」
「口伝でいいじゃない。私という事実が里に現れる訳だし」
「いや、実はその口伝が曲げられる可能性があるんだ」
「曲げられる? なんでそんな無駄で馬鹿な事が」
 思いもしない、と言わんばかりの萃香に小兎姫が応えようとするが、
「ああ、結社ですね?」
 先に文がしっかりと口にしていた。
 ちなみに、直ぐ近くまで来ている。
「そうそれ。全貌もまだ掴めてはいないが、今回の件で余計な手を後から打ってくるに違い無い」
「面倒だねぇ、集団は」
「全くもって」
 萃香の溜息に小兎姫も便乗した。
「じゃあどうしようか?」
「証しとして双方が共有出来る、何か丈夫な物が良いと思う」
 まず小兎姫は都合の良い案を言う。
 彼女はそこから色々折半して適当な形に落ち着かせようと思っていたのだが、
「ん~……じゃあ、ちょっと待って」
 萃香は頷くやすっくと立ち上がり、文の脇を通って堂の庭に当たる場所で立ち止まる。
「ええっと、ここら辺のをあらかた萃めれば……薄~く伸ばせば良いだろうし……」
 そして何事か呟き、ふと小兎姫と文の方を振り返った。
「あ、こっち見ない方が良いよ」
 言うなり、萃香は両手を突き出しその先に何かを凄まじい勢いで萃め始める。
 じきに、彼女の言葉の意味が小兎姫にも文にも分かった。
「え?」
「わ」
 何かが萃まっている部分から橙色の閃光が強烈に溢れ始めたのだ。
 慌てて顔を背け、目を塞ぐ二人である。
 そのまま二人は背に光を浴び続け、やがて光が止んだ。
「……っと、こんなくらいで良いかな」
 そして聞こえる萃香の声。
 声を聞き、小兎姫と文はそっと振り返る。
「何をしてたんですか?」
 真っ先に口を開いたのはやはり文だ。
「これ作ってたの」
 応えと共に、萃香は手に持っていた今まで無かった筈の物体を軽く掲げる。
 その、大体スペルカード二枚分くらいの大きさをもった白く不透明な薄板を目にし、小兎姫も文も目を疑った。二人とも雑多であったり偏重であったりの差はあれども、知識としてそれが何であるか大体の目星がついたのだ。
 小兎姫と文は互いに目線を合わせ、軽く牽制し合い、それから文が一歩前に出た。
「あの、萃香さん。これって、まさか……?」
「まさかもなにも、金剛石板だよ。これなら凄く硬い」
 さらりと言われて、二人は軽く絶句する。
 確かに小兎姫の要求を満たす事が出来そうな代物だろうが、それにしても無茶だ。
 恐らく先程の閃光は山中の炭素を一点に萃めた事で発生した圧縮熱が光として外に漏れたのだろう。そして炭素と共に圧縮熱を逃さぬ様萃め続ける事で熱量を爆発的に増大させ、半ば強引に金剛石を作り、今ある形に変形させたに違いない。
 無茶を通り越して無茶苦茶である。
「―――確かにそうだけど……でも、金剛石は火に弱いし靭性も頼りなかったよーな……」
「あ」
 小兎姫の力無い突っ込みに萃香は今気付いた顔をして、それから、どうしたものかという顔になった。
 そして三者はそれぞれ考え、
「まぁ、どうするにせよ上白沢女史に持たせておけば安心……かな」
「確かに」
「それだ」
 という方向に落ち着いた。
「でもこれをどうするんですか?」
 続けて文が尤もな疑問を口にする。
 小兎姫も無言のまま同意した。金剛石を焼かず砕かずどうにかするというのは並大抵の事ではない。
 しかし萃香は金剛石板に手を翳し、
「まずさっき決めた約束事を、こうして……」
 部分部分を疎にしていく事で字を刻み込み始める。
 圧倒的硬度を誇る金剛石板上に砂のような細かな粒が浮き、萃香がふっと息を吹き掛ければ、疎にされた部分が散らされて板上の細かな字が露になった。
「おお」
「わぁ」
 これに小兎姫と文は感嘆の声を短くあげる。
 意外と綺麗な字だ。
「という訳だから、今決めれる内に全部決めてこれに記しちゃおう」
「そうしよう」
「でもこれどうするんですか?」
 萃香の言葉に小兎姫は同意し、文は更なる疑問を述べた。
「割符にするつもりだよ。字を入れる要領でやれば断てるし」
「成る程、それなら確かに双方共有できますね」
 うんうん頷く文に萃香は満足そうに微笑む。
 それもそうだろう。小兎姫の出した案を自分だけで解決してのけたのだから。
「そゆ事。さて、じゃあ今後私が攫った子供の処遇だけどね?」
「あ、少し待った」
「えー」
 思わぬ小兎姫の制止に、萃香は抗議の声をあげる。
 しかし彼女は構わず文の方を向いた。
「ええっとさ、鴉天狗さん」
 思わぬ呼びかけ方をされ、それから文は自分が小兎姫に名乗っていない事を思い出す。
 同時になんで名乗りもせずに今まで居たのかとも思ったが、そういえば空気になっていたんだっけ、と一瞬後に思い出し色々納得した。
「射命丸 文です。文で良いですから」
 そして名乗る。
「あ、そう? じゃあ文。子供が返されるのは確実になったから、それを里の方に伝えて欲しいんだけど」
「構いませんけど……私の言葉を信用しますかね」
「ああそうか。……じゃあ、私直筆の文章を運ぶというのは?」
「そういう事でしたら。椿事を見せてもらったお礼に、伝書鴉くらいは喜んでやりますよ」
「ありがとう」
 言うなり、早速小兎姫はどこからともなく手帖を取り出し、萃香の件をメモした次のページに手早く認める。
「よし、これで良い筈……と」
 作業を終えた後誤りが無いか確認するように文章を目で追い、問題ないと判断した小兎姫はそのページを破り取り、二つ折りにした上で文に渡した。
「はい確かに」
 受け取った文はすぐにそれをスカートのポケットにしまう。
「道々気を付けて。ああ、上白沢女史は今頃ここから最も近い竹林近くの里に居るだろうから」
「了解しました。では、小兎姫さんも萃香さんも……えーと、頑張ってくださいねー」
 手短な別れの言葉に少し考えてしまった事を少し後悔しつつ、文は笑顔で手を振りながら羽ばたいた。
 手を振り返す萃香と小兎姫の姿が瞬く間に小さくなる。



 高空にしばし滞空し、文は森林の中の空きスペースを見下ろしていた。
「正直続きが気になりはしますけど……」
 だが本来なら萃香への取材で終わる筈だったのが、思わぬ収穫を得たのだ。それに、交渉の決着というか基本合意部分さえ分かっていれば、記事を書く事も難しい事では無い。
 恐らく他の天狗仲魔の内、誰もまだこの事を察知してはいないだろう。よもや鬼と人が話し合いをしているだなんて。
 その事を思えば、伝書鴉くらやっても全く問題ない。おつりがきそうだ。
「そうですとも」
 思いに言葉で応え、後ろ髪引かれる思いに駆られながらも文は空きスペースに背を向ける。
 そして、
「竹林近くの里、という事なら―――」
 風を呼び、大加速。
 幻想郷の蒼空を、再び最速の風が突き抜けた。



「あ、一つ言い忘れた」
 風を見送り、それからふと小兎姫は口にした。
「何をさ」
 風の吹く先から小兎姫へと視線を戻し、萃香は聞く。
「いや、文にね、里の皆は今気が立ってるから、即弾幕が張られるかもしれないけど、って」
「……警戒過剰になって当然だろうしねぇ」
「まぁでも大丈夫でしょ。あの速さなら。さて、じゃあ交渉の続きを」
「うん」
 金剛石板を挟み、幻想郷初となる鬼と人との交渉は再開する―――
 後書きも再現しようかと思いましたが無理でした。
 この文々。日和三作品は、当時かなりの自信を持っていた作品です。
 なのに創想話で点数が振るわなかった事に首を捻ったのは良い思い出ですね。
 未だに明確な理由が分かりませんが、まぁ単純に創想話読者に合わなかったんだろうなー。
Hodumi
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