※この作品は、Coolier様にあるプチ東方創想話ミニの作品集4に投稿されていたものです。
―――……。
…………ああ。
さて今は、朝だったか。
それとも、昼だったか。
……いや、夜だったか。
―――そして。
これは現実だろうか?
それとも夢だろうか?
今私が見上げる天井は、本当に私の知るそれなのだろうか?
……いや、幻だろうが別に構う事はないか。
今が朝だろうと、昼だろうと、夜だろうと、現実だろうと、夢だろうと。
本当にどうでもいい事だし。
下らなくて、どうでもいい思いが私を支配する。
時折、全て面倒で何もしたく無くなる事がある。
食事も、湯浴みも、遊戯も、思考も、何もかも。
……そう、生きる事すらも。
「こういう時に死ねないっていうのも……不便よね」
思わず言葉が口から零れた。
するとこれは現実なのだろうか?
…………いいや、夢だろうとどうでもいいか。
何が変わる訳でもない。
蓬莱の薬は永遠を約束する。
それは賛美と共に受け入れるべき祝福の様で、しかし唾棄し忌避すべき呪いのようでもある。
どちらにせよ、どちらでも無いにせよ、ただ、あるのは永遠だけ。
ただ在るだけで、この宇宙では時間に抗えない以上、時に追い立てられなければならない。
だから、限りある生き物は前進する。学習する。成長する。進化する。いずれ尽きてしまうその時まで。
けれど私は違う。永琳は違う。妹紅は違う。
止まっていようと、学習を、成長を、進化を放棄し、時の流れにただ身を浸し続けて居られる。何故なら尽きないのだから。
四方を壁と襖と障子に囲われ、畳と天井によって密室となったこの部屋で。
何も無いこの部屋で。
ただ、仰向けになったまま何もしない。
生きるという事に対し、これ以上の冒涜はないだろう。
どこかから、くす、と嘲笑の吐息が聞こえた。
多分私のだろう。
この密室には私が出てくるまで入らないよう、永琳やイナバ達に厳命してあるのだから。
そして、やはり嘲笑は私の口から意識せず零れたものなのだろう。
何が生きるという事への冒涜か、おこがましい。
これが冒涜として成り立つのは、真っ当に生きている者がやってこそだろうに。
…………ん。となると―――
然るに私は、永琳は、妹紅は。
まぁ、生き物としての常道から外れている、と。
確かにそうか。決定的に殺されても死なないというのは、生物の定義として間違っている。
現に私は、この部屋に篭ってもうどれだけ経ったか思い出せ無い程だが、何もしないままただ生きている。
いや、生きていないか。この有様は。
……どうでもいいか。別に、生きていようがそうでなかろうが何だろうと。
でも、どうでも良いと思う割に、思考は滔々と続いて行く。
ああ、そうか。
これが止まったら、私は眠っているのか。
夢であるなら、こうも長々と思考を続ける事はできないだろうから。
すると今眼に映るこの天井も、本物であるのかもしれないか。
……これこそ、本当にどうでもいい事だけど。
それにしても……まるで小娘の生理のように不定期にこういう有様になるというのは、どういう理屈なのだろう。
時の前に心根が揺らぐからだろうか。
知る限り、たまに永琳も目的も無いのに自室に篭って出て来ない事があるし。
やはり、日頃普通に永琳やイナバ達と過ごしているつもりでも、実は無理をしているのだろう。
だからこうして、限界が来たと私の何かが判断して、全てがどうでもよくなっているのだから。
ああ。
……それでも妹紅はならないだろうな、とはなんとなく思う。
あの子は私と永琳に比べれば、まだ人間だろうから。
………………
―――……。
…………ああ。
さて、今は朝だったか。
―――……。
…………ああ。
さて今は、朝だったか。
それとも、昼だったか。
……いや、夜だったか。
―――そして。
これは現実だろうか?
それとも夢だろうか?
今私が見上げる天井は、本当に私の知るそれなのだろうか?
……いや、幻だろうが別に構う事はないか。
今が朝だろうと、昼だろうと、夜だろうと、現実だろうと、夢だろうと。
本当にどうでもいい事だし。
下らなくて、どうでもいい思いが私を支配する。
時折、全て面倒で何もしたく無くなる事がある。
食事も、湯浴みも、遊戯も、思考も、何もかも。
……そう、生きる事すらも。
「こういう時に死ねないっていうのも……不便よね」
思わず言葉が口から零れた。
するとこれは現実なのだろうか?
…………いいや、夢だろうとどうでもいいか。
何が変わる訳でもない。
蓬莱の薬は永遠を約束する。
それは賛美と共に受け入れるべき祝福の様で、しかし唾棄し忌避すべき呪いのようでもある。
どちらにせよ、どちらでも無いにせよ、ただ、あるのは永遠だけ。
ただ在るだけで、この宇宙では時間に抗えない以上、時に追い立てられなければならない。
だから、限りある生き物は前進する。学習する。成長する。進化する。いずれ尽きてしまうその時まで。
けれど私は違う。永琳は違う。妹紅は違う。
止まっていようと、学習を、成長を、進化を放棄し、時の流れにただ身を浸し続けて居られる。何故なら尽きないのだから。
四方を壁と襖と障子に囲われ、畳と天井によって密室となったこの部屋で。
何も無いこの部屋で。
ただ、仰向けになったまま何もしない。
生きるという事に対し、これ以上の冒涜はないだろう。
どこかから、くす、と嘲笑の吐息が聞こえた。
多分私のだろう。
この密室には私が出てくるまで入らないよう、永琳やイナバ達に厳命してあるのだから。
そして、やはり嘲笑は私の口から意識せず零れたものなのだろう。
何が生きるという事への冒涜か、おこがましい。
これが冒涜として成り立つのは、真っ当に生きている者がやってこそだろうに。
…………ん。となると―――
然るに私は、永琳は、妹紅は。
まぁ、生き物としての常道から外れている、と。
確かにそうか。決定的に殺されても死なないというのは、生物の定義として間違っている。
現に私は、この部屋に篭ってもうどれだけ経ったか思い出せ無い程だが、何もしないままただ生きている。
いや、生きていないか。この有様は。
……どうでもいいか。別に、生きていようがそうでなかろうが何だろうと。
でも、どうでも良いと思う割に、思考は滔々と続いて行く。
ああ、そうか。
これが止まったら、私は眠っているのか。
夢であるなら、こうも長々と思考を続ける事はできないだろうから。
すると今眼に映るこの天井も、本物であるのかもしれないか。
……これこそ、本当にどうでもいい事だけど。
それにしても……まるで小娘の生理のように不定期にこういう有様になるというのは、どういう理屈なのだろう。
時の前に心根が揺らぐからだろうか。
知る限り、たまに永琳も目的も無いのに自室に篭って出て来ない事があるし。
やはり、日頃普通に永琳やイナバ達と過ごしているつもりでも、実は無理をしているのだろう。
だからこうして、限界が来たと私の何かが判断して、全てがどうでもよくなっているのだから。
ああ。
……それでも妹紅はならないだろうな、とはなんとなく思う。
あの子は私と永琳に比べれば、まだ人間だろうから。
………………
―――……。
…………ああ。
さて、今は朝だったか。