穂積名堂 Web Novel

Dancing of flowering night

2012/02/29 01:47:50
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Dancing of flowering night

Hodumi
※この作品は、Coolier様にあるプチ東方創想話ミニの作品集4に投稿されていたものです。



華々しい夜が来た。
美しい夜が来た。
今宵全ての花は咲き乱れ、太陽の光など全く気にせず、それぞれの花弁を出来うる限り華麗に広げ。
それは何て華々しい夜でしょう。
これは何と美しい夜でしょう。

煌く星々、幽かな光を寄越す下弦の月。
あの夜空にも負けぬよう、今宵全ての花を咲かせましょう。
そして今夜はずっと、幻想郷は咲き乱れた花に包まれる。
これを素敵と言わずしてなんと言う?
これを見事と言わずしてなんと言う。

さぁ、私の能力で以って、蕾達よ。
大輪を、可憐さを、愛おしさをその身に内包する、蕾達よ。
さぁ、太陽の光など全く気にせず開きなさい、開放なさい。
光に頼らずとも、構わずとも、この私が咲かせてあげましょう。
さぁ、咲きなさい、咲きなさい、小さく可憐で大きく美しいあなた達。

何て言う夜でしょう。
何と壮麗な夜でしょう。
今宵幻想郷はあらゆる花が咲き乱れ、風はあらゆる花の香りを運んでくる。
闇に紛れ、そこかしこに咲いた花の気配がある。
ああ、ああ、ああ、何と言う夜でしょう。
見渡す限りの、見渡しきれない程の、美しい花達よ。

夜の闇の中、私は踊る。
花達と一緒に、あらゆる花と共に、思うがままに踊る。
だってこんなにも華々しい夜だもの。
こんなにも美しい夜だもの。
じっとしてなんていられないわ。

夜は始まったばかりだけれど、この純情可憐な夜はまだまだ続くのだけれど、それでも私は踊る。
月傘を持って、スカートの裾に軽く手を沿えて、幽かな夜空の光の下、ただただ楽しいがままに。
言葉を失ってしまう程華々しい夜だから。
言葉が消えてしまう程美しい夜だから。
そもそも言葉なんて要らない、ただただ静かに騒々しい花々の夜だから。

花よ、花よ、愛しい愛しいあなた達。
私はただの演出家。
今夜ばかりは、今夜だけは、幻想郷はあなた達が主役。
それはまるで、一夜限りの儚い時間、泡沫に消える宿命、シンデレラ。
だけれど、今夜咲き乱れ咲き誇るあなた達こそが、幻想郷で最も優雅で凄く優美でとっても綺麗。

歌も調べも無い中を、ただただ私は花達と共に群舞を舞う。
そろそろ私は控えめに、あなた達を引き立てるように。
鬱葱とした魔法の森も、迷宮のような竹林も、血塗られた館の畔も、花達と共に舞い踊る。
遮るものは、遮れるものは何も無く、花達の気分の赴くままに、踊り、舞い、踊る。
時に美しく、時に元気に、時に淑やかに。

花達のリズムに合わせ、私は踊る、花達も踊る。
音無き音に風雅に合わせ、見えないリードに閑雅に誘われ、温雅に清雅に舞いに舞う。
花達よ、幻想郷中の花達よ、今夜あなた達は一斉に舞い、踊り、舞っている。
だから私は、だから花達は、この私と、あの花達と、そして花映る幻想郷とが、静かに騒々しく、思うがままに踊っている。

今夜を表現するのに言葉は要らない。
ただ、ただ、花達と共に踊り続ければ良い。
花達と一体になって、幻想郷と一体になって。
花を、私を、幻想郷を体現する。
それは静かで騒々しい花の踊り。
今夜だけの、今夜限りの、私による花達の幻想郷の宴。
 後書きも再現しようかと思いましたが無理でした。
 幽香。拙作では地味に登場回数が多い花の君な訳ですが……。
 なんでこれを読んでたろひさんは「なんかエロい」という感想を残したのか。
 それが分からない。
Hodumi
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