※この作品は、Coolier様にあるプチ東方創想話ミニの作品集8に投稿されていたものです。
中天から差し込む陽光を浴びつつ、藍は一人日光浴を楽しんでいた。
着衣で。
燦々と照り輝く陽光に対し、彼女は背を向けてもいた。
それで日光浴とは如何なものかと思うが、彼女にとっては立派に日光浴である。
何せ、九つある尻尾が陽光を浴びてふわふわになろうとしているからだ。
小高い丘のてっぺんで、藍は尻尾をふわふわにさせようとしているのである。
何故そんな事をするのかとかいう以前に藍の尻尾といえばふわふわでもふもふな物の筈なのにどういう事なのか説明と謝罪と賠償を要きゅ
閑話休題。
何故藍が尻尾を日光に晒しているのかというと、ふわふわじゃないからである。
では何故ふわふわじゃないというか何だそれは誰があの至宝とも言えるふわふわをふわふわならざる何かに変えてしまったと
閑話休題。
では何故ふわふわではないのか。言うならばちょとごわ付いた藍の尻尾は、先日の宴会in博麗神社にて紫が萃香と共謀して「天狐の尻尾漬け酒」とかいう訳の分からない酒を所望し、紫が望んだ時点で既に藍の尻尾は酒に浸けられていたのである。
そのプロセスは三行で表現できた。
「あ、お酒を藍の尻尾に浸けたらどんな味かしら」
「合点承知ノ介」
「おおおぅ!?」
こんな感じで。
その後藍は抗議するも当然受け入れられず、どころか宴会における「面白ければそれで良し」的な精神によって他の参加者が結託。
結果、藍は両手足を物理的にも魔法的にも拘束され、尻尾は徹底的に酒に浸けられるという事態になった。
ちなみに、藍のふわふわ尻尾'sをいかにして酒に浸けたかというと、萃香の能力に拠って空気中に萃められた酒が塊となって藍の尻尾を覆い尽くしたのだ。
ちゃぽん、と。
突然そんな事になったのだから、当然藍は吃驚仰天であり、仰け反った拍子に頭半分酒塊に突っ込んで混乱しても仕方が無い。
そして、問題となったのが尻尾漬け酒の呑み方である。
藍の抗議等一切気にしない面々は、喧々諤々と議論を交わし、一つの結論に行き着いた。
「そうだ。一旦酒から出してしとどに濡れた尻尾をしゃぶれば良いんだ」
と霊夢。
「キタコレ」
とてゐ。
「そ れ だ」
と萃香。
「お前良いな頭」
と幽香。
「他に考えられない」
とパチュリー。
「よし、じゃあそうよう」
と紫。
「わくわく」
と文。
藍は泣き叫んだ。
誰も聞き届けなかった。
そして、その後の惨劇というか喜劇は恐ろしいものがあった。
何せ誰も彼もが酔っているのだ。普段ならどうかと思う行為に遠慮も無ければ躊躇も無く、ついでに言えば容赦も無かった。
齧った輩まで居た程である。甘噛みと本気噛みで藍の悲鳴の色が何か違ったらしいが、その事に気付く冷静さを持っていた者は誰も居なかった。
果たしてそれが幸いだったのかどうかはともかくとして、ちゅうぢゅうぢゅるぢゅりと藍の尻尾は入れ替わり立ち代りしゃぶられたのである。
多分全員に。
一人一本として、九人が満足したら酒塊が尻尾を覆い、少し間を置いたら再びおしゃぶりタイムが再開。
藍にとっては、所謂おしゃぶり地獄である。
しゃぶられる様を見る事が出来なかったのは不幸中の幸いといえるだろう。
大体、見るというか見えてた場合当然瞼を閉じ、それを見て面白がった紫等の面々が嬉々として無理矢理見させたろうから、ひょっとしたらショックのあまり気が触れたかもしれない。真っ白になったかもしれない。
ともあれ、そんな地獄があったから藍は日光浴を楽しんでいるのであった。
楽しむというには些か語弊があるかもしれないが。
良く見ると藍の目元にうっすら涙が滲んでいるのは思い出したからなのだろうか。
紫は勿論の事橙にまでしゃぶられたのだから、どれほどのトラウマになったかは推し量れないだろう。
因みにその辺りを地獄からちょっと抜粋してみる。
「さ、次は橙よ♪」
狂乱の宴と化した中、紫が楽しげに橙の背を押した。
「はーいっ♪」
そして、紫以上に楽しそうに橙が藍の下へと駆けて行く。
尚、既に幾度と無く尻尾をしゃぶられた藍の有様は非常に哀れである。耳はぺたりと伏せ、身体を胎児のように縮こまらせ、瞳はやや虚ろになり、だけど頬は朱に染まっていた。羞恥に限った話じゃない意味で。
しかしそんな状態の藍であっても、橙の名にその耳をピンと立てた。
冗談じゃないからだ。
「ち、橙っ!?」
倒れ伏した身を起こそうとするが、その前に橙が濡れそぼった藍の尻尾に飛びついた。
「ひゃっ!?」
何度されても慣れないのか、藍は声を上げる。
そして、橙は愛しげに藍の尻尾を両手で持つと、その先端に軽く口をつける。
ちゅるっ
「わぁ……藍様のって美味しい……」
「んあぅ!? ち、橙、こら……っ!?」
藍の必死の言葉も虚しく、目がアルコールによって何処か危険な領域になってしまっている橙は、全く気にする事なく、そして臆することなく藍のソレを口に含んだ。
「ふ、ん……(ぢゅるるるっ)」
そして、淫靡な音を立てて吸い上げていく。
「んんんんっ!」
かつて無い衝撃に藍は仰け反り、声を上げた事にはっとして口を両手で塞いだ。
「……ぷはっ」
吸い切ったところで橙は口を離す。
しかし藍のソレと自分の口とが細い糸で繋がれたままだった。
そして、橙は今度は横合いからしゃぶりつく―――
日光浴の最中、藍の耳がぺたりと伏せられた。
地獄のうち、その部分は特に忘れようと必死で努力しているのだろう。
とすると、やはり日光浴を楽しんでいるのではなく、日光浴を楽しもうとしているのだろう。
かなり、無理矢理に。
ぽかぽかと暖かな日差しに包まれて、涙を堪えながら。
中天から差し込む陽光を浴びつつ、藍は一人日光浴を楽しんでいた。
着衣で。
燦々と照り輝く陽光に対し、彼女は背を向けてもいた。
それで日光浴とは如何なものかと思うが、彼女にとっては立派に日光浴である。
何せ、九つある尻尾が陽光を浴びてふわふわになろうとしているからだ。
小高い丘のてっぺんで、藍は尻尾をふわふわにさせようとしているのである。
何故そんな事をするのかとかいう以前に藍の尻尾といえばふわふわでもふもふな物の筈なのにどういう事なのか説明と謝罪と賠償を要きゅ
閑話休題。
何故藍が尻尾を日光に晒しているのかというと、ふわふわじゃないからである。
では何故ふわふわじゃないというか何だそれは誰があの至宝とも言えるふわふわをふわふわならざる何かに変えてしまったと
閑話休題。
では何故ふわふわではないのか。言うならばちょとごわ付いた藍の尻尾は、先日の宴会in博麗神社にて紫が萃香と共謀して「天狐の尻尾漬け酒」とかいう訳の分からない酒を所望し、紫が望んだ時点で既に藍の尻尾は酒に浸けられていたのである。
そのプロセスは三行で表現できた。
「あ、お酒を藍の尻尾に浸けたらどんな味かしら」
「合点承知ノ介」
「おおおぅ!?」
こんな感じで。
その後藍は抗議するも当然受け入れられず、どころか宴会における「面白ければそれで良し」的な精神によって他の参加者が結託。
結果、藍は両手足を物理的にも魔法的にも拘束され、尻尾は徹底的に酒に浸けられるという事態になった。
ちなみに、藍のふわふわ尻尾'sをいかにして酒に浸けたかというと、萃香の能力に拠って空気中に萃められた酒が塊となって藍の尻尾を覆い尽くしたのだ。
ちゃぽん、と。
突然そんな事になったのだから、当然藍は吃驚仰天であり、仰け反った拍子に頭半分酒塊に突っ込んで混乱しても仕方が無い。
そして、問題となったのが尻尾漬け酒の呑み方である。
藍の抗議等一切気にしない面々は、喧々諤々と議論を交わし、一つの結論に行き着いた。
「そうだ。一旦酒から出してしとどに濡れた尻尾をしゃぶれば良いんだ」
と霊夢。
「キタコレ」
とてゐ。
「そ れ だ」
と萃香。
「お前良いな頭」
と幽香。
「他に考えられない」
とパチュリー。
「よし、じゃあそうよう」
と紫。
「わくわく」
と文。
藍は泣き叫んだ。
誰も聞き届けなかった。
そして、その後の惨劇というか喜劇は恐ろしいものがあった。
何せ誰も彼もが酔っているのだ。普段ならどうかと思う行為に遠慮も無ければ躊躇も無く、ついでに言えば容赦も無かった。
齧った輩まで居た程である。甘噛みと本気噛みで藍の悲鳴の色が何か違ったらしいが、その事に気付く冷静さを持っていた者は誰も居なかった。
果たしてそれが幸いだったのかどうかはともかくとして、ちゅうぢゅうぢゅるぢゅりと藍の尻尾は入れ替わり立ち代りしゃぶられたのである。
多分全員に。
一人一本として、九人が満足したら酒塊が尻尾を覆い、少し間を置いたら再びおしゃぶりタイムが再開。
藍にとっては、所謂おしゃぶり地獄である。
しゃぶられる様を見る事が出来なかったのは不幸中の幸いといえるだろう。
大体、見るというか見えてた場合当然瞼を閉じ、それを見て面白がった紫等の面々が嬉々として無理矢理見させたろうから、ひょっとしたらショックのあまり気が触れたかもしれない。真っ白になったかもしれない。
ともあれ、そんな地獄があったから藍は日光浴を楽しんでいるのであった。
楽しむというには些か語弊があるかもしれないが。
良く見ると藍の目元にうっすら涙が滲んでいるのは思い出したからなのだろうか。
紫は勿論の事橙にまでしゃぶられたのだから、どれほどのトラウマになったかは推し量れないだろう。
因みにその辺りを地獄からちょっと抜粋してみる。
「さ、次は橙よ♪」
狂乱の宴と化した中、紫が楽しげに橙の背を押した。
「はーいっ♪」
そして、紫以上に楽しそうに橙が藍の下へと駆けて行く。
尚、既に幾度と無く尻尾をしゃぶられた藍の有様は非常に哀れである。耳はぺたりと伏せ、身体を胎児のように縮こまらせ、瞳はやや虚ろになり、だけど頬は朱に染まっていた。羞恥に限った話じゃない意味で。
しかしそんな状態の藍であっても、橙の名にその耳をピンと立てた。
冗談じゃないからだ。
「ち、橙っ!?」
倒れ伏した身を起こそうとするが、その前に橙が濡れそぼった藍の尻尾に飛びついた。
「ひゃっ!?」
何度されても慣れないのか、藍は声を上げる。
そして、橙は愛しげに藍の尻尾を両手で持つと、その先端に軽く口をつける。
ちゅるっ
「わぁ……藍様のって美味しい……」
「んあぅ!? ち、橙、こら……っ!?」
藍の必死の言葉も虚しく、目がアルコールによって何処か危険な領域になってしまっている橙は、全く気にする事なく、そして臆することなく藍のソレを口に含んだ。
「ふ、ん……(ぢゅるるるっ)」
そして、淫靡な音を立てて吸い上げていく。
「んんんんっ!」
かつて無い衝撃に藍は仰け反り、声を上げた事にはっとして口を両手で塞いだ。
「……ぷはっ」
吸い切ったところで橙は口を離す。
しかし藍のソレと自分の口とが細い糸で繋がれたままだった。
そして、橙は今度は横合いからしゃぶりつく―――
日光浴の最中、藍の耳がぺたりと伏せられた。
地獄のうち、その部分は特に忘れようと必死で努力しているのだろう。
とすると、やはり日光浴を楽しんでいるのではなく、日光浴を楽しもうとしているのだろう。
かなり、無理矢理に。
ぽかぽかと暖かな日差しに包まれて、涙を堪えながら。